女子団体追い抜きで連覇狙う日本 いきなり五輪新記録!世界一美しい隊列の“新戦術”ベール脱いだ!?

[ 2022年2月12日 17:03 ]

北京五輪第9日 スピードスケート女子団体追い抜き ( 2022年2月12日    国家スピードスケート館 )

スピードスケート女子団体追い抜きに出場した日本チーム(右から高木菜那、高木美帆、佐藤綾乃) (AP)
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 スピードスケートの女子団体追い抜き(パシュート)は、12日に1回戦を行い、連覇を狙う日本は第1組で登場。開催国の中国と同走で、2分53秒60で滑り終えて、いきなり五輪新記録をマークした。これまでの五輪記録は、18年の平昌五輪で日本が記録した2分53秒89だったが、1回戦で早くも更新した。

 これにより日本は1位通過。ライバルのカナダが2位、オランダが3位と続いた。4位はROCで、日本は15日の準決勝でROCと対戦することが決定。決勝も同日15日に行われる。

 日本は高木美帆、佐藤綾乃、高木菜那の3選手でスタートし好発進。注目の先頭交代回数は3回で、この日は平昌五輪と同じだった。

 日本女子の団体追い抜き(高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃、押切美沙紀)は、メンバーの息がピタリと合うスケーティングで世界一美しいと称される隊列を組むことでも有名だ。ただ、今季のワールドカップでは長距離の実力者を擁するカナダが3戦3勝。平昌五輪銀メダルのオランダも今大会にピークを合わせ、イレイン・ブストら団体メンバーが10日までに実施された中長距離の全3種目を制覇。ライバルは手ごわく、日本は綿密に対応策を検討していた。

 現地入りした後の2日、会場での練習後に高木菜那は新戦術に関して「固まった」と明かしていたが、詳細については「見てからのお楽しみです」と笑みを浮かべてけむに巻いていた。日本は高木美帆(日体大職)を軸に姉の高木菜那(日本電産サンキョー)、佐藤綾乃(ANA)が不動のメンバー。前回大会後もこの3人で組めば無敗を続け、2年前に自分たちの世界記録を塗り替えている。

 女子団体追い抜きは3人で隊列を組みリンクを6周、最後尾の選手がゴールしたタイムを争う。空気抵抗が大きい先頭を誰が務めるかが、鍵を握る。先頭交代は体力消耗を抑えられる一方で、隊列が崩れて減速するため、日本は18年平昌五輪で3回行った先頭交代の回数を減らす新戦術を模索してきた。この4年で世界の戦術もめざましく進化し、最後まで先頭の選手を変えずに滑りきるチームも出てきている。“攻めのレース”か、“安定感重視”か、戦略選択にも注目が集まる大会だ。

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