銀メダルの小林陵侑 すがすがしい笑顔で「2本ともいいジャンプできた」「すごく成長できた」

[ 2022年2月12日 22:13 ]

北京五輪第9日・ノルディックスキージャンプ男子ラージヒル決勝 ( 2022年2月12日    国家スキージャンプセンター )

銀メダルを獲得した表彰式の小林陵侑(ロイター)

 男子の個人ラージヒル(ヒルサイズ=HS140メートル)決勝が12日に行われ、個人ノーマルヒル金メダルを獲得した小林陵侑(25=土屋ホーム)が銀メダルを獲得した。

 1回目で最長不倒となる142メートルの大ジャンプで、147・0点のトップに立った。2位のマリウス・リンビク(ノルウェー)の144・8点で2・2点差と僅差で重圧のかかる2本目。「まだもう1本あるので集中したいですね。2回目どういう状況になるかわからないですけど自分の満足できるジャンプをしたいですね」と話していたが、惜しくも頂点には届かなかった。最後から2人目に飛んだ1回目2位のリンビクが140メートルを飛び、296・1ポイントで金メダル。小林陵侑は138メートルで292・8ポイント。3・3ポイント、距離にして2メートルほど足りなかった。

 それでも、小林陵侑は表彰式ですがすがしい笑顔を見せ、何度もガッツポーズを作り、手を振った。2本とも自分のジャンプができたことによるものだった。「うれしいです。2本ともいいジャンプできたと思う。(2本目は)歓声が上がっていたので、さすがに緊張しました。1回目はタイミングと、風の状況も落ち着いていて、すごく良かった。2回目はちょっと空中ばたついちゃった気がしたんですが、自分のできることはできたので、すごく良かった」と振り返った。

 6日の個人ノーマルヒルを制し、8日のメダル授与式で実際に金メダルを手にし「重い。ジャンプ週間の時もそうですけど、やっぱり特別な感じで達成感があります。またメダルを目指して頑張りたい」と決意を新たにした。ラージヒルの公式練習では9日に好感触を得て、10日は日本チームでただ一人飛ばず、独自の調整を踏んだ。11日の予選では、128メートルを飛んで121.3点の9位。「イメージはもうちょい。2冠?楽しみですね」と話した通り、自信と抜群の調整力で本番に合わせた。


 「普段のワールドカップでも見られないくらい、熱い戦いだった」とし「本当に勉強になったというか、前回オリンピックからすごく成長できた自分がいて、本当に周りの一人一人、今まで出会った人が欠けたら獲れなかったと思うので、充実した4年間だった」と語っ小林陵侑。五輪でノーマルヒル、ラージヒルの2冠はならなかったが、大舞台で自分のジャンプを貫けた充実感がある。

 14日の団体で日本のエースとして、3つ目のメダル獲得を目指す。「団体戦もビッグジャンプを見せたいと思います」と力強かった。

 ☆小林 陵侑(こばやし・りょうゆう)

 ☆生まれ、サイズ 1996年(平8)11月8日生まれ、岩手県八幡平市出身の25歳。身長1メートル74、59キロ。

 ☆スキー一家 父・宏典さんは元クロスカントリースキーの選手。2大会連続五輪代表の兄・潤志郎(雪印メグミルク)、姉・諭果(CHINTAI)、弟・龍尚(土屋ホーム)もジャンプ選手。

 ☆名前 「陵侑」。両親は「小高い丘、高い位置から物事を見て、懐深く生きてもらいたい」という意味を込めて名付けた。陵侑自身は「名前を書くのが大変だったけど、インパクトがあって凄くいい」と気に入っている。

 ☆競技歴 小学3年から本格的にジャンプを始める。盛岡中央高まで複合選手。15年土屋ホーム入社後、ジャンプに専念。W杯デビュー戦の16年1月ザコパネ大会(ポーランド)で7位。

 ☆趣味 車、スニーカー集め、洋服、音楽、YouTube。

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