スマイルジャパン13人輩出「道路建設ペリグリン」 準々決勝フェンランド戦へ“虎の穴”から熱烈エール

[ 2022年2月12日 05:30 ]

日本代表にエールを送る道路建設ペリグリンの選手たち(撮影・石川加奈子)
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 北京五輪女子アイスホッケーで初の決勝トーナメント進出を成し遂げ、12日に準々決勝・フィンランド戦に挑むスマイルジャパン。その「虎の穴」ともいえるのが北海道苫小牧市を本拠地にする女子クラブチーム、道路建設ペリグリンだ。

 3大会連続五輪出場のFW米山知奈(30)やカナダ出身のDF細山田茜(29)、初戦のスウェーデン戦で先制ゴールを決めたDF小池詩織(28)ら7人が所属している。FW大沢ちほ主将(30)ら、大学進学や就職などでチームを離れた選手も6人が代表入り。日本代表23人中、過半数の13人を北京に送り出した。

 代表7人が不在でもリンクは熱気に包まれていた。午後8時から始まる週4回のリンク練習を休む選手はほとんどいない。所属選手は中学生から社会人まで28人。テスト中でも、仕事が忙しくても、やるべきことを片付けて、リンクに駆けつける。就任3年目の寺尾幸也監督(38)は「ここを最優先に考える子たちが集まっている」とモチベーションの高さに目を見張る。

 「伝統がチームを強くしている」と寺尾監督はみる。現存する道内チームとしては最も古い77年結成。全日本選手権は歴代最多の20度の優勝を誇り、昨季は同選手権と日本リーグの2冠を達成した。

 代表選手がチームに戻り、世界で戦うための術(すべ)を後輩に伝える好循環ができている。“レジェンド”と呼ばれるベテラントリオ、米山、細山田、小池は練習中、常にトップスピードで動く。「次世代を意識して、びっくりするくらい、意図的に一生懸命やってくれる」と寺尾監督は舌を巻く。

 そんな環境を求めて、道内外から意識の高い選手が集まる。FW山下光(21=西武)とDF栞(19=西武)の姉妹もペリグリンでプレーするために大阪から移住し、中高生時代を苫小牧で過ごした。

 強いペリグリンが強いスマイルジャパンの原動力。4度目の五輪で初めて準々決勝を戦う。寺尾監督は「明るいニュース。我々も盛り上げるサポートをしたい」とさらなる育成に力を注ぐ。

 《若手は4年後を目指す》次世代の選手たちは26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を狙っている。鎌田美南副主将(苫小牧東高3年)は身長1メートル70の大型FW。20年ユース五輪で金メダルを獲得したU18日本代表で主将を務めた。「次の五輪が目標。リーチを生かした強いシュートを決めたい」と力を込める。代表戦観戦時には、米山の動きを参考に、自分だったらどうプレーするかイメージしている。

 代表候補合宿に4度招集されたFW黒須若菜(北海道文教大3年)は昨年11月に右肩を脱臼してリハビリ中。普段は代表の米山、大滝知香(23)とセットを組んでいる。「話しやすくて優しいけれど、厳しいことも言ってくれる。先輩の背中を追いかけ、次の五輪は絶対に出たい」と意気込んだ。

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2022年2月12日のニュース