スピスケ森重 8人きょうだいの末っ子、14人のおいめいのヒーローへ 天国の母にささげるメダル

[ 2022年2月12日 18:51 ]

北京五輪第9日 ( 2022年2月12日 )

スピードスケート男子500メートルのレースを終えた森重(共同)
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 スピードスケート男子500メートルで銅メダルを獲得した森重航(21=専大)は北海道東部の別海町出身。実家は乳牛約250頭を飼う酪農を営む。兄5人、姉2人の8人きょうだいの末っ子。幼少時代から広大な敷地を走り回り、大自然の中で体を鍛えた。21歳にして14人のおいめいを持ち、帰省した際は遊び相手として大人気。父・誠さん(68)は「航が日本代表で活躍してもおいめいたちはピンときていなかったが、五輪の注目度は段違い。これでヒーローになれるかもしれませんね」と笑う。

 19年7月、がんを患っていた母・俊恵さん(享年57)が他界した。幼少時代から競技をサポートしてもらい、体調の悪い時でも大会の応援に駆け付けてくれた存在。専大に進学して地元を離れていた森重は同年5月に母の入院する釧路市内の病院を見舞った。「スケートのことを1番に考えて、最期は来なくていいからね」。既に死を悟った母から伝えられた言葉通り、最期には立ち会わなかった。「そこ(最後の母との対面)からスケートにかける思いが大きくなった。母にいい報告をしたい」。全力の滑りを天にささげた。

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