北京五輪続くゴタゴタ…不可解判定や採点、スーツ規定違反続出、ワリエワのドーピング判定

[ 2022年2月12日 21:00 ]

<北京五輪ジャンプ混合団体>2本目を飛び終えると、目に涙を浮かべる高梨沙羅(ロイター)

 北京五輪は12日、折り返しを過ぎ第9日を迎えたが、各国選手たちの活躍やパフォ―マンスの報道とともに様々な“ゴタゴタ”も連日報じられている。

 <スーツ規定違反続出> 日本にとっても悪夢となった新種目のジャンプ混合団体では、1回目に1番手の高梨沙羅(25=クラレ)が103メートルの大ジャンプを決めるもジャンプスーツの規定違反で失格。高梨を含め実に10チーム中4チームの女子5人が失格となり、14年ソチ五輪銀のイラシュコ(オーストリア)、今大会個人銀のアルトハウス(ドイツ)も規定違反となり強豪ドイツが10チーム中9位に沈んで1回目敗退となる大波乱となった。その後、高梨が自身のSNSで投稿画面を真っ黒にして謝罪を繰り返し世界に波紋を広げた。一連の事象を受け、国際スキー連盟(FIS)のジャンプ専門ツイッターアカウント(@FISskijumping)には世界各国から批判が相次いでおり、全日本スキー連盟競技本部の斉藤智治副本部長は高梨沙羅が失格になったことついて、五輪後、連盟として国際スキー連盟(FIS)に文書を提出する意向を明らかにしている。

 <不可解判定や採点> スノーボード女子パラレル大回転では史上最多6大会連続の冬季五輪出場の竹内智香が1対1の1発勝負となる決勝トーナメント1回戦で前回五輪銅メダルのラモナテレジア・ホフマイスター(ドイツ)と対戦。コース中盤で転倒しながらも先着したが、レース後の審議で進路妨害と判定され、抗議も実らず敗退が決まった。竹内はレース後、判定について「ヨーロッパスポーツの力を感じる。ジャッジの8人中6人がドイツ人なので、ノーチャンスだと感じた」と話した。また、スノーボード・ハーフパイプ男子で、日本勢で同競技初の金メダルを獲得した平野歩夢も決勝では斜め軸の縦3回転に横回転を加えた超大技「トリプルコーク1440」を含むルーティンを公式戦で初成功させたが、2本目は91・75点止まりの不可解ジャッジで、暫定2位止まり。競技直後も「納得できなかった」と話していた平野は、改めて「僕が思っているように、周りも(得点が低すぎると)思ってくれていた。今後のスノボのジャッジ全体を含めた基準として、どこを見ていたという説明は聞くべきだと思う」と話し、採点基準の明確化を訴えた。

 <地元びいきの判定?> ショートトラックでは試合のたびに失格者が出て、男子1000メートルでは中国選手が金、銀メダルを獲得。混合リレー準決勝の準決勝でも米国が進路妨害で失格になり中国チームが繰り上がった。失格となった韓国はCASに提訴することを表明している。12日に行われたスピードスケート男子500メートルでスタートリスト14組、15組で起こったフライングについても世界的に疑問の声が挙がっっている。

 <ワリエワのドーピング判定> 北京冬季五輪のドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)は11日、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のフィギュアスケート女子代表カミラ・ワリエワ(15)が昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示したと発表した。12月25日のロシア選手権(サンクトペテルブルク)で採取された検体から禁止薬物トリメタジジンが検出された。ワリエワは16歳未満で保護対象のため実名公表は控えるのが原則だが、メディアが非公式情報でワリエワの名前を報道したため公式発表したと説明。五輪出場可否の裁定は14日午後(北京時間)になると発表した。ROCが金メダルを獲得し、今回の問題で表彰式が中止となっている団体戦の扱いは後日決定。ROCが失格となれば銅メダルの日本は2位に繰り上がる。

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