【解説】フィギュアや体操もかつては満点方式 技術進化著しいスノボも改革の時

[ 2022年2月12日 14:07 ]

圧巻のパフォーマンスで金メダルを獲得した平野歩夢(撮影・小海途 良幹)
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 北京五輪のスノーボード・ハーフパイプ(HP)男子で、日本勢で同競技初の金メダルを獲得した平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が12日、河北省張家口のプレスセンターで会見に臨んだ。前日の決勝では超大技「トリプルコーク1440」を組み込んだルーティンを公式戦で史上初めて通した2本目が91・75点と得点が伸び悩み、不可解採点として議論を呼んでいる。平野歩も言葉を選びながらも、「他競技ではそういうものがある。ジャッジは新たなシステムをしっかり(導入)するべき」と持論を展開した。

 冬季五輪の採点競技の代表格がフィギュアスケート。現在はプログラムの中でジャンプの種類や回転数に指定があり、得点は技術点+演技構成点の合計から、技の出来映え(GOE)に応じて加点減点が行われる。一方でかつては「6・0ルール」と呼ばれる方式が採用され、技術点と芸術点それぞれが6点満点で評価され、その評価も審判の主観によって決まっていた。02年ソルトレークシティ五輪での不正採点疑惑を契機に改革が進み、04~05年シーズンから現在のシステムが採用されている。

 夏季五輪競技の体操は、05年までは10点満点からの減点方式が採用されていたが、06年以降は技の難度を評価するDスコア、完成度を評価するEスコア(いずれも現在の呼称)によって得点が決まる。Eスコアは10点満点からの減点方式だが、Dスコアには上限がない。フィギュアスケートと共通するのは、技術の進化に満点方式の採点方法がそぐわなくなり、正当に評価できなくなった点。両競技とも採点方式の変更は、必然の流れだったと言える。

 スノーボードと同様に満点方式で採点が採用されているのが、東京五輪の追加種目となったスケートボードやサーフィンだ。いずれも技の難度や大きさ、独創性などが評価されるが、得点は審判の主観に委ねられる。北京五輪が初実施から7大会目となったスノーボードだが、スケボーやサーフィンと同様に、五輪競技としてはまだまだ新しい部類。技術の高度化が進んだ今後は、“先輩”であるフィギュアや体操と同様に、より明確で客観的な採点基準の導入が求められている。

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2022年2月12日のニュース