×

セレッソ大阪 サクラ咲ケ

最前線で躍動する加藤陸次樹を見よ! 小菊監督「将来のセレッソ担う選手」 24日ホーム横浜戦でも期待 

[ 2021年10月21日 05:30 ]

セレッソの若きストライカー・加藤陸次樹
Photo By スポニチ

 C大阪は24日にヨドコウ桜スタジアムで横浜と対戦する。この試合を含め、リーグ戦は残り6試合。10日のルヴァン杯準決勝第2戦はFW加藤陸次樹(24)が執念のゴールを決めて浦和を1―0で下し、8月21日横浜FC戦以来のホーム白星を飾り、30日の決勝(埼スタ)進出を果たした。ホームのリーグ戦で若きストライカーが再びサポーターの期待に応える。

 ここまでリーグ戦32試合で加藤は29試合、1250分出場。どちらもFWでトップの数字だ。8月28日のアウェーG大阪戦から指揮を執る小菊監督から「将来のセレッソを担う選手」と期待をかけられ、同戦以降の全7戦先発。攻撃サッカーを標榜(ひょうぼう)するチームの最前線で躍動している。

 埼玉県出身。地元のクマガヤSCで競技を始め、当時からFW。現在J2金沢へ期限付き移籍しているDF庄司朋乃也(24)とも一緒にプレーした。広島ユースからトップ昇格できそうな感触があったものの、結局実らず。失意のあまり、一時は「サッカーをやめよう」とも考えた。両親から「大学からプロに入って活躍する選手もいる」などと励まされ、中大へ進学。ただ、入学直後は「全然やる気が出なかった」。法大に進んだ双子の兄、威吹樹(いぶき)が試合に絡みはじめ、「悔しさはあった」。肉親からの励ましと刺激で、もう一度スイッチを入れ直した。

 失意から立ち直り、プロを目指す過程で身近に最高のお手本がいた。中大で3学年先輩のFW古橋亨梧(26)だ。「4年生では、ずば抜けていた」と加藤が振り返る古橋は周囲も驚く“成り上がり”を果たす。入団したJ2のFC岐阜での奮闘を足場にJ1神戸、スコットランド1部セルティックと活躍の場を広げ、いまや日本代表に欠かせない存在。この先輩に続けとばかりに加藤は20年に入団したJ2金沢で42試合出場13得点。柳下正明監督から「クロスへの入り方、シュートの形、裏に抜け出すタイミング」など全てをみっちり仕込まれた成果だ。今季加入したC大阪でも確実に自分の居場所をつくった。

 10日のルヴァン杯準決勝第2戦では決勝点をもぎ取った。ゴール前左へ走り込み、左からのクロスに合わせた左足はやや不発も、こぼれ球を角度のない位置から右足で冷静に押し込んだ。「パスとかじゃなく貪欲にいけたのが良かった。自分が何としても決めたかった」。FWらしい執念が頼もしい。背番号29は、いまやセレッソになくてはならない存在だ。

 ◇加藤 陸次樹(かとう・むつき)1997年(平9)8月6日生まれ、埼玉県出身の24歳。クマガヤSCから広島ユース、中大を経て20年に加入した金沢での活躍が認められ、今季からC大阪へ完全移籍。陸次樹の名は「だいぶ気に入っているけど、由来は聞いたことがない」。「得意は動きだし」が本人の弁ながら、ドリブルやクロスに合わせる技術やポストプレーも確かな万能型FW。1メートル78、69キロ。利き足は右。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る