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セレッソ大阪 サクラ咲ケ

小菊昭雄監督「天皇杯準決で負けた悔しさ、今も…」 来季タイトル奪取には得点力アップ必要と痛感

[ 2021年12月21日 05:30 ]

C大阪・小菊昭雄監督

 C大阪の選手やスタッフが思いを語る連載「サクラ咲ケ」の第23回は、小菊昭雄監督(46)。レヴィー・クルピ前監督(68)の契約解除に伴い、今年の8月26日から指揮官に就任し、100日あまりがたった。タイトルにあと一歩届かなかった激動のシーズンを振り返った。

 天皇杯の準決勝で浦和に負けた悔しさは、今も残っています。ルヴァン杯決勝で敗れてタイトルを逃し、その忘れ物を取りにいきたかったけど、決勝に進むことができなかった。悔しい気持ちでいっぱいです。

 コーチとしてスタートした今季は、本当に激動のシーズンでした。ロティーナ監督とレヴィー・クルピ監督のサッカーを融合するために、両者のもとで学んできた自分の立ち位置は重要だと思っていました。うまくバランスが取れていた開幕直後は良かったけど、5月からは4カ月近くもリーグ戦で勝てなかった。選手たちの悩んでいる姿、躍動感を失っている姿は見ていてつらかったし、改めてサッカーの深さ、難しさが身に染みました。

 自分自身も責任を感じていた中で、8月25日の湘南戦(●1―5)の試合終了の5分前ぐらい、レヴィーに呼ばれました。言われたのが「自分はもう辞める。おまえがこのチームを救え」でした。意思は固く、もうやるしかない状況。「どん底の状態が、さらにどん底になることはない」とも言われて、それは自分に対する最後の優しさや気配りだったのかなと思います。

 初めての監督業は、毎日が精いっぱいで、学びの連続でした。いろんな監督のもとで仕事をしてきて、監督の大変さは理解しているつもりだったけど「こんなにも大変なんだ」と。今までにない景色を見られたこともあれば、多くの失敗もあった。勝ち負けも含めて紆余(うよ)曲折があったけど、選手たちが一つ一つのトレーニングに集中して100%で取り組んでくれたのが一番、うれしかった。この100日間は学びしかない、素晴らしい時間でした。

 共通理解を持つことができた守備に手応えがある一方で、攻撃には課題が残りました。ゴールを意識したビルドアップ、崩しのイメージの共有、イマジネーションを豊かにする作業。「得点を奪う」というところは、より時間を割く必要性を感じました。

 ゴールを取った時の喜びこそが、サッカーファンが一番求めているもの。攻守のバランスも大事だけど、バランスを崩してでもゴールを取りに行く。ポジションを崩してでも、チャンスと思ったら(ゴール前に)入っていく。自分自身、そういったサッカーを志向しているので、追求していきたいと思っています。(C大阪監督)

 ◇小菊 昭雄(こぎく・あきお)1975年(昭50)7月7日生まれ、兵庫県神戸市出身の46歳。滝川二高から愛知学院大を経てC大阪スタッフに。02~05年はスカウトを担当し、06年にトップチームのアシスタントコーチに就任。14~15年には強化部課長にも就いた。16年からヘッドコーチ、17年からコーチを務め、今年8月に監督就任。

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