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セレッソ大阪 サクラ咲ケ

たたき上げの苦労人・渡辺りょう 胸に刻む「神は細部に宿る」の思いで、新天地で挑戦

[ 2023年8月16日 05:30 ]

FC東京戦で、シュートを放つC大阪・渡辺(中央) (撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 C大阪の選手やスタッフが思いを語る連載「サクラ咲ケ」。今回は7月23日にJ2藤枝から完全移籍で加入したFW渡辺りょう(26、写真)が登場。今季J2で13得点を挙げたストライカーだが、プロになるまでの経歴はクラブ下部組織とは無縁で決して華々しくはない。たたき上げの苦労人が、初のJ1での活躍に向けた率直な思いを語った。

 セレッソファミリーの皆さん、はじめまして。この夏に藤枝から加入してきた渡辺りょうです。セレッソは歴史のあるクラブなので、オファーをいただいたときは率直にうれしかったです。同時に、このクラブでどれだけ自分が挑戦して、価値を示せるかというところがすごく楽しみで、ワクワクしています。

 J3沼津に入団して、藤枝に移籍するまでの3年半は、病院の受付と自動車販売店で仕事をしながらプレーしていました。サッカー以外の仕事をしなくなったのがちょうど1年前。今の状況はまったく想像できていなかったですし、毎日一生懸命やってきたことが今につながっているんだと思います。でも、J1に上がっただけで満足するのではなく、ここからどれだけ活躍できるかが勝負。どういうパフォーマンスを監督、スタッフ、チームメートに見せて信頼を勝ち取れるか、サッカー選手はその繰り返しなので、いい準備をしていきたいです。

 ここで、僕が大事にしている言葉を紹介します。沼津時代に働いていた尊敬するスポンサー企業の社長さんがおっしゃっていた「神は細部に宿る」。サッカーに置き換えて考えたとき、どれだけなにげないことでも、細かいところまで見つめて、向き合って取り組んでいけるか。そこが本当に大事なんじゃないのかなと。例えばちょっとしたパスでも、しっかり地面を走らせるのか、ちょっとボテボテで出すのか、受ける選手のプレーのしやすさが違う。セレッソでもこの言葉を忘れずにいたいです。

 僕はエリートコースを歩んできたわけではありませんが、やってきたことが評価されてここにいることは、素直にうれしいです。普通の学校の子たちでも、好きで諦めなければできる。僕が先頭に立って、そういう子たちの道しるべになれるように、成長し続けていきたいという思いがあります。攻守にスピードを生かす自分の特長を出せるように、精いっぱい頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ◇渡辺 りょう(わたなべ・りょう)1996年(平8)10月25日生まれ、東京都渋谷区出身の26歳。小1から渋谷セントラルSCでサッカーを始め、代々木中、高輪高、産業能率大を経て19年にJ3沼津入団。昨年7月途中にJ3藤枝(当時)へ完全移籍し、J2昇格に貢献。今年7月にC大阪へ完全移籍で加入。J3通算94試合20得点、J2通算26試合13得点。1メートル79、71キロ。利き足は右。

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