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セレッソ大阪 サクラ咲ケ

セレッソ・船木、上位進出へチーム引っ張る 8・6ホームで上昇気流の神戸叩き勢い加速だ

[ 2022年7月27日 06:00 ]

C大阪・船木

 C大阪は8月6日、ヨドコウ桜スタジアムで神戸と激突する。先月末に吉田孝行新監督を迎えて以降、J2降格圏を抜け出しつつある好敵手の勢いを止めるのは、若きDF船木翔(24)だ。献身的な守備に加え、先月26日清水戦、7月2日川崎F戦と2戦連続で0―1から同点弾を決める攻撃力も魅力。成長著しい若武者が真夏の進撃をけん引する。

 垂れ込める暗雲を一掃する見事な一撃だった。先月26日のホーム清水戦。前半20分、主将のMF清武が相手選手との交錯で左足首を負傷し交代すると、35分にはオウンゴールの悪循環。リーグ後半戦での飛躍へ向け黒星だけは避けたい一戦で、船木が仲間を救った。

 後半31分。MF鈴木の右CKに豪快に頭で合わせた同点弾は、記念すべきJ1初ゴール。先輩たちにもみくちゃにされ、尊敬するDF松田にはポカポカ頭を叩かれた24歳は「ゴールを決めて、引き分けに持ち込めたことは良かった」と回想。松田も「あいつ以上に俺の方がうれしかった」と笑い、小菊監督は「レンタル移籍もして、さまざまな経験をしたことをプレーにも発揮してくれた」と称賛した。

 「今年はセットプレーで中に入る機会も多いので、引き続きゴールも狙っていきたい」

 先発出場した2日の王者・川崎F戦でも執念の一発を披露した。後半14分、鈴木がペナルティーエリア中央へ上げた絶妙クロスを頭で押し込む2試合連続同点弾。最後はFWパトリッキが決勝ゴールを決め、サポーターも大興奮。4―1で圧勝した4月のアウェー戦に続き、難敵相手に再び底力を見せつけた。

 「試合で結果を残すことは1年目から言い続けてきたので、それが形になってきたことはうれしい」

 8月6日、同じ関西圏のライバルでもある神戸と相まみえる。一時は最下位に沈んでいたクリムゾンレッドも、吉田新監督を迎えて一気に状態が上向いてきた。とはいえ、C大阪の雰囲気も今、最高潮だ。16日の大阪ダービーで逆転勝利を収め、第22節終了時点で5位。シーズンも残り3分の1。さらなる上位進出へ、下位相手の取りこぼしは禁物だ。

 20年のJ2磐田、21年のJ2相模原への期限付き移籍を経て、船木は今季、3年ぶりにJ1へと帰還した。「過去2年、(移籍先で)活躍することができず、今季も厳しい一年になると思っていたが“やれる”という自信がなかったら、ピッチに立つ資格はない」。待ちに待った血湧き肉躍る戦いの場で、どう猛にボールへと食らいついていく。

 ◇船木 翔(ふなき・かける)1998年(平10)4月13日生まれ、奈良県出身の24歳。C大阪の下部組織から17年にトップチームへ昇格。20年にJ2磐田、21年にJ2相模原にそれぞれ期限付き移籍し、今季から古巣に復帰。精度の高い左足のクロスが持ち味。1メートル77、65キロ。

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