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セレッソ大阪 サクラ咲ケ

プロ選手未経験の小菊監督 “選手にはなれなかったけども、監督を目指したい”人のためにも道筋を

[ 2022年12月21日 05:30 ]

 C大阪の選手やスタッフが思いを語る「サクラ咲ケ」。小菊昭雄監督(47)が波瀾(はらん)万丈の22年シーズンを振り返った。ルヴァン杯で2年連続準優勝に導き、リーグ戦でも一時は3位に浮上する躍進ぶり。着実にクラブをレベルアップさせた手腕の根底にある思想とは。

 セレッソファミリーの皆さん、今年一年、応援していただき、ありがとうございました。昨年8月下旬、シーズンもラスト3分の1のところで監督に就任しました。今年はスタートから見られたということもあり、キャンプからフラットに、実績に関係なく、ゼロからの正当な競争を大事にしてきたつもりです。常に愛情を持って接することが大事。監督だから、ではなく、愛情を持って見ることで気づきがある。しっかり選手を見て、ベストなタイミングで背中を押したり、逆に距離を置いて接したりすることも大事です。「距離感」を大切にしてきたシーズンでした。

 ただ、反省すべきところもあります。「コロナに気をつけろ」と言っていながら、自分が罹患(りかん)してしまいました。申し訳ない気持ちと、クラブから離れて見守るしかなかった状況で、逆にいろんなことが見えた。スタッフのチームワークや底力も、より感じることができました。ちょうど8月上旬のルヴァン杯準々決勝・川崎F2連戦のタイミング。チーム一丸で突破し、体調不良を吹き飛ばしてくれるようなパワー、感動をもらえました。

 私にはプロ選手としてのキャリアはありません。だから、選手としてのキャリアを経て、監督をしている方々には、本当にリスペクトしかない。でも「負けたくないな」という気持ちもあります。スカウトや強化の仕事といった貴重な経験もしましたし、学んできたところで負けたくない気持ちやプライドもある。欧州ではプロ経験がない監督も多いですし“選手にはなれなかったけども、監督を目指したい”という人のためにも道筋をつくりたいと思っています。

 今シーズンは序盤、ホームで勝てずに苦しい時期がありました。いろんなことがあった一年ですが、日常がすべて。一日一日、一番いいトレーニングをしているという自負もあります。高い強度の練習の成果として、ルヴァン杯2年連続準優勝の結果をつかみました。点数にすると、80~85点。来年は100点のシーズンになるよう、チーム全員で戦います。(C大阪監督)

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