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セレッソ大阪 サクラ咲ケ

歴史ある20番背負う加藤陸次樹 挑む「タイトル奪取」

[ 2022年8月17日 05:30 ]

C大阪・加藤
Photo By スポニチ

 C大阪の選手やスタッフが思いを語る「サクラ咲ケ」。昨季加入し、今季から偉大な歴代OBがつけてきた背番号20を託されたFW加藤陸次樹(25)が、ここぞの一撃で存在感を見せている。6日には人生初のバースデーゴール。クラブのタイトル奪取へ、真夏の進撃を支えている。

 人生初となる自身への祝砲が生まれたのは、6日神戸戦の後半42分だった。この時点で2―0。勝利をつかみつつある中でも、攻撃の手は緩めない。DF松田のクロスを加藤が頭で押し込むトドメの3点目。3日に新型コロナウイルス陽性となり療養中だった小菊昭雄監督から、試合後、オンラインで「バースデーゴール、おめでとう!」と祝福され、自然と笑みがこぼれた。

 「誕生日に試合があることは、これからの人生でもあるか分からない。そこで決められたことは、大きな思い出になり、財産」

 余韻に浸る間もなく、次なる歓喜は訪れた。10日のルヴァン杯・準々決勝第2戦、川崎F戦。ここでも大仕事をやってのける。3日の第1戦を1―1で引き分けており、4強進出には勝利か2得点以上での引き分けが条件。暑さと連戦の疲労で序盤から川崎Fの圧に押されっぱなしで、0―2のまま終盤へ。敗色濃厚の後半45分に反撃ののろしを上げたのが加藤だ。DF山中の左からのクロスを頭でねじ込み1点を返すと、ラストプレーでFW山田が同点ヘッド。アウェーゴール数の差で上回る執念のドロー突破に、大きく貢献してみせた。

 「(試合展開に)少し焦りもあった。今日決められたことは、少しは20番に恥じないプレーができたと思う」

 振り返れば、先月10日の横浜戦でも日本代表の森保一監督が直接視察する中でも見事ゴール。西沢明訓氏、大久保嘉人氏らクラブのストライカーがかつて背負ってきた番号を譲り受けた責任感を胸に、ここまでリーグ戦でチームトップの5得点。最大目標の「タイトル奪取」へ、チームの躍進を支えている。

 日々の練習では、選手間はもちろん、首脳陣ともプレーについて激論を交わす。「本気でぶつかり合って、監督やスタッフと近い関係でやれている」。だから「勝てるチームになっている」と分析。成長できる環境に身を置きつつ、勝利に猛進できることが何よりもうれしい。現在、リーグ戦では4位につけ、ルヴァン杯4強、天皇杯8強。複数タイトルも視野に入れるC大阪で、加藤はもはや欠かせない存在になった。

 ◇加藤 陸次樹(かとう・むつき)1997年(平9)8月6日生まれ、埼玉県熊谷市出身の25歳。広島ユースを経て中大から20年にJ2金沢へ入団。昨季からC大阪に加入し、チーム最多のリーグ戦7得点。前年までの背番号29から今季は西沢明訓氏や大久保嘉人氏らクラブを代表するストライカーが背負ってきた20番に変更。1メートル78、69キロ。利き足は右。

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