はるかぜに告ぐ(2)とんず「できちゃった辞さず!」夢は意外にお母さん といろは「孤独死避けること」

[ 2024年5月27日 12:35 ]

夢は意外に…はるかぜに告ぐのとんず(左)と一色といろ
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 【はる告ぐインタビュー(2)】

 ◆といろ「芸人が夢じゃなかったけど、この仕事まっとうしたい」◆

 ―だけど、お笑いファンとしては彼氏と別れていただいて良かったかも(笑い)。こんな超新星は誕生しなかったわけですから。ただ、一気にブレイクして、現状はとりあえず目の前のことをやるという感じでしょうか?

 とんず「目の前のやり方を間違わんように、とは思ってますね。そこは話し合ってる感じです。といろさんもやる気がないみたいなキャラになってますけど、全然そんなことはないし」

 といろ「そうですね。そこは1つ1つの仕事を丁寧にしようとは思っています。私の場合、芸人を夢見ていたわけではないけど、しっかりこの仕事をまっとうしようとは思っています」

 ―若い世代は芸人を目指して芸人になった人が多いと思うんですが、それは最近の傾向で、昔はむしろ友達に誘われるまま芸人になって、メキメキ頭角を現した人の方が多いと思うんです。だから、といろさんのような方がいても全然いいとは思います。

 といろ「でも、難しい仕事とは思いますねえ。笑って、手を叩いて、大きい声出してただけかと思ってたら、そういうわけでもなかったので」

 とんず「なめすぎやろ(笑い)」

 といろ「みんな、大人になりたくない人たちがやってる仕事かと思ってました」

 とんず「見下しすぎや(笑い)」

 といろ「いや、見下してはないけど。子どもの気持ちを忘れてない人が多いとは思いますね」

 とんず「真剣におもろいことを言おうとしてるからな、みんな」

 ―お笑いに関しては今も若干2人に温度差はあるのかもしれませんが(笑い)、普通の若手ではとても経験できないようなことをすごく早い段階で経験されているんですよね。

 とんず「いっぱい可能性が見えるという点ではワクワクはします。それに、メディア業界の人は熱意のある人が多いから、人間的な刺激になります。惰性で働いているのではなくてガムシャラというか。そういう点では一緒に働けて最高です」

 といろ「いろんな業種の方とお会いできるのは、私的にも楽しいですよね。テレビやラジオも局によって雰囲気が違うし、もちろん劇場の舞台も全然違うし、そういうのを感じながら毎日仕事するのは楽しいです。それに、吉本には芸人だけやなくていろんな可能性もあるので」

 ―確かに、いろんなことをやりたいという選択肢として吉本を選んだのは正解のような気はします。

 といろ「私、変に恥ずかしがり屋で、タレントでもないのに画面に出たり、YouTube出たり、ブログしたりするのは恥ずかしいと思うんです。でも、所属だけでもすれば恥ずかしさもなくなるのとちゃうかな、と思ったんです」

 ―それもNSCに入った理由の1つなんですね。とんずさんはどんな芸人像を思い描いていますか?

 とんず「私はずっとネタをやっていきたい。とにかくライブに来てもらってネタを見てほしいんです。最終そこにたどり着くためにテレビにも出たいと思ってますけど、ネタを見てもらうことに何の影響もないという仕事なら、やりたくないかも。とにかくネタをしたい、お笑いをしたいです」

◆「私たちは“はるかぜに告ぐ株式会社”」◆

 ―そういう熱い思いを持っていらっしゃるのなら安心ですが、最近は解散するコンビが多い気がします。そういう先輩コンビを見てどう思いますか?

 といろ「まあ人間ですから。いろいろあるんでしょうねえ」

 とんず「興味なさそうやなあ」

 といろ「まあ基本、他人ですから」

 ―(笑い)

 とんず「ただ、相方は仕事のパートナーですから。転職する人もいるし、別にそんなもんとちゃうかなとは思います。私たちも“はるかぜに告ぐ株式会社”を2人でやってるという感覚なので」

 ―へえ、おもしろい。実は同じようなことをKinKi Kidsの堂本光一さんもおっしゃってました。

 とんず「私らKinKi Kidsやん」

 といろ「どっちが光一?剛?」

 ―(笑い)光一さんはビジネスパートナーという表現を使っていらっしゃいましたけど、そういう気持ちだから長続きできるというようなお話でした。

 とんず「うちらもプライベートは一緒にいることはないけど、仲悪いこともないし。職場の人ぐらいな感覚かな。本当は、同じ目標に向かって、ときには言い合ったりもするけど、涙流して汗もかくみたいなのが一番良いけど」

 といろ「青春ですねえ」

 とんず「お笑いってそういう要素も強いですけどね。でも、リアルでは会社の仕事とあまり変わらん。だからファンの人もそんなに気にせんでもいいのに、とは思います。コンビのネタが見られなくなるというのは悲しいと思うけど、辛かったんかなとか、なんかあったんかなとか、そこまでは別に考える必要もないかなと思います」

 といろ「解散はそこまで深刻に考える必要はないんですけど、大阪の劇場はいま女性コンビが少ないので、そこは少し寂しいところはありますね」

◆とんず「10年目で若手とか芸人と政治家くらい」◆

 ―女性コンビが少ないというのは、やはり思うところはあるんですか?

 とんず「もち、です。STARTOでしたっけ?いまは。そこに女性グループが1組だけいるみたいな感じですね。感覚的には。もう男芸人とは全然違うんですよ」

 ―そんなもんなんですね。

 とんず「全然ちゃいます!私めっちゃ結婚したいんで。35過ぎてから結婚とか、遅い!子どもほしいんで。30までには売れて、認知つけた状態で産休とか育休とか取らないと仕事なくなるじゃないですか」

 といろ「男性コンビはお年召されてからでも売れても大丈夫ですけど、女性コンビはそういう問題があるんですよね」

 とんず「一応、人生の二大目標が賞レースと結婚なんです。やから両方かなえるためには全力疾走、必死、がむしゃらなんです。若い若い、と言われつつも10年目で若手とか芸人と政治家の世界くらいじゃないですか。私らの世界、感覚がおかしいんです。超若手と言われるけど、社会人でゆうたら4年目とかやし」

 といろ「そやね。経験のある若手という感じやもんね」

 ―結婚もですが、“できちゃった”はどうなんですか?

 とんず「できちゃう辞さずですが、タイミングが問題ですよね。今なんかいいわけないし」

 といろ「今は良くないわ、さすがに。それは引いちゃうかも。そうなったら、ぼる塾さんみたいにもう2人入れて順繰り順繰り回すしかないな」

 とんず「えー!(爆笑)といろさん、すっごいイヤなやつに見えるで。解散じゃなく相方が次々変わるって」

 ―といろさんは結婚願望ないんですか。

 といろ「ありません。私の将来の夢は孤独死を避けることです(笑い)」

 【取材を終えて】2人が慕っている先輩コンビ「祇園」が「長年この世界にいると、才能がある後輩がわかるんです」とコメントしていた。これはインタビュアーにも当てはまり、まったく違うタイプの2人だが、どちらにもほとばしる才能を感じた。

 興味深かったのは「はるかぜに告ぐ株式会社」という考え方。初期衝動でコンビを組んで、年月をかけて成長する芸人が多い中、企画力(コンビの方向性)、開発力(ネタの精度)、営業力(メディア露出)をすでに兼ね備える。さらに2人の個性が絶妙なバランスで配合されることで生まれる爆発力。これから10年、どんな成長曲線を描くのか。楽しみしかない。(江良 真)

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