「はるかぜに告ぐ」(1)とんず 留年&M―1挑戦&彼氏の浮気 3つ重なって「私は芸人になりました」

[ 2024年5月27日 12:30 ]

吉本興業の大型新人・はるかぜに告ぐのとんず(左)と一色といろ
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 昨年、女芸人No.1決定戦「THE W」決勝で、デビュー1年目にして彗星のように現れ話題を呼んだコンビ「はるかぜに告ぐ」。吉本興業社員も「女性コンビなら史上最速級のブレイク」とその勢いを認める。芸人魂とナイーブな夢も併せ持つとんず(25)と、唯我独尊な一色といろ(27)。強烈な2つの個性が彩る芸人人生は始まったばかり。その現在地を探った。(取材・構成 江良 真)

【はる告ぐインタビュー(1)】

◆“しゃべくり漫才”実は必然だった!?◆

 ―THE Wでの活躍で1年目からめまぐるしく環境が変化したと思います。ネタもよくできていたのですが、しゃべくり、というのは驚きました(笑い)。

 とんず「しゃべくり漫才がいい、と言ってもらってるものの、しゃべくりがカッコいいからやってます!というのではないよな」

 といろ「そう。コント漫才は役に入らないといけないじゃないですか。私、それちょっと笑っちゃうんです。まだ入り込まれへんから、それやったらテンポよく会話する感じのほうがやりやすくて。練習もしやすいので」

 ―なるほど。といろさん都合だったのですね(笑い)。では、スタイルが変わる可能性もある?

 といろ「そうですね。リズムネタだけになるかもしれません」

 とんず「それだけはないわ!」

 ―お2人はNSC(吉本総合芸能学院)で出会われたと思うのですが、最初に会ったときはどういう印象だったのでしょうか?

 とんず「うわ、違う人種やと思いました。お姉でお嬢というイメージで注目してたんです。話してみると、意外と一般人で意外とヌケてたりしてて。全然イメージと違いましたね。こういう世界に入ってくる人ってこだわりが強いんですけど、全然柔軟にやってくれてるし、思ってたよりも高飛車ではないな、と思って」

 ―高飛車と思ってたんですね(笑い)。

 とんず「だってガチのお嬢様ネタやってたんですよ。ドレスみたいなの着て、“みなさん、こんばんは。一色といろと申します”、から始まって、私は門限あるんですの、おたばこ吸われる方とか、飲酒をされる方はちょっと…みたいなネタ」

 といろ「一応幼稚園から高校まで私立なので、まったく自分と違うことをするのはどうか、と思って。どっちかというとお嬢様の、世間から少しズレてるように思われることをネタにしたほうがいいのかな、と思ってやってました」

 ―実際に、何か世間とズレてるなあと思うようなことはないのでしょうか?

 といろ「そんな部分はないんですけど、逆にこの世界では…」

 とんず「芸人常識としてはズレてるよな」

 といろ「芸人になりたいと思ったことはなかったので、そういう意味では、ズレてるというか、そんなに笑いが来なくても落ち込んだりはしないし、逆にすごい笑いが起きても安心はしますけど、脳汁が出るみたいなハッピーな気持ちになることはないですね」

◆史上初!?NSCが“チョコザップ”替わりだった女性◆

 ―(笑い)NSCに入ったのも運動不足を解消したかったというのは本当なんですか?

 といろ「そうです。コロナ禍で就職したのでずっと在宅勤務で、20代でずっと家の中という生活はもったいないな、と思って。運動不足解消にもなるし、人前に出ることで引き締まるし」

 ―すごい動機(笑い)。

 とんず「引き締まったん?」

 といろ「最近ちょっと締まりが…でも、当時は一瞬引き締まってん!」

 とんず「それ、お笑いやってる、やってないというより、私生活の問題ちゃうん?」

 ―運動不足解消方法もいろいろあると思うのですが、その中でもNSCを選ばれたのは何か理由があるんでしょうか?

 といろ「人生にこれまで刺激がなかったというのが大きいですね。プラス、NSCは前払いなんで、お金払っちゃうと元取らないといけないという気持ちになるので(笑い)。ジムとかやとサブスクですからねえ」

 とんず「それ、ガチで美容やってる人に、痩せる気ないじゃんって言われるやつやな」

 ―とんずさんは芸人になりたいと思ったきっかけはどうなるのでしょうか?

 とんず「中学のときから芸人になりたいと漠然と思っていたんですが、大学の時に付き合ってた元彼が浮気せんかったら芸人ならなかったと思います」

 といろ「結婚しようと思ってたん?」

 とんず「結婚に向けて社会人になってお金とか貯めてたかもしれんかな」

 ―元彼とはうまいこといかなかったんですか?

 とんず「事の発端はですね、後期2単位だけ落として留年したからなんです。前期ヒマになったから、M―1とキングオブコントを男友達と遊びで出たんですが、うわ!おもしろーというマインドになってしまって。すると、元彼が“なんで男と最近おるん?”と言い出して」

 ―なるほど。

 とんず「ネタ合わせしてんねんって言ったら、“ネタ合わせって何?”となって」

 といろ「そら、確かに怪しいと思うな」

 ―(笑い)

 とんず「練習してんねん、と説明をしたんですけど、“それ夜やらなあかんの”と言われて。“夜の方が気をつかわんと練習できるし”と言ったんですけど、確かにネタ合わせってエロいんかなと思って(笑い)。そのへんから、ギクシャクして。彼氏は“は?”って感じやし、私は“ごめん、でもM―1近いねん”って言うけど、彼氏は“なんなん、M―1って”みたいになって」

 ―まあ、どっちの気持ちもわかる感じですねえ(笑い)。

 とんず「そうこうしてるうちに、向こうが浮気して」

 といろ「あらあら」

 とんず「別の女の子と“ネタ合わせ”しちゃったみたいです」

 ―(笑い)

 とんず「まあでも、私としては彼氏というクサビから解き放たれて、そうだ芸人になろう!と思ったというわけですわ」=(2)に続く

 ◇はるかぜに告ぐ 一色といろ(いっしき・といろ)1997年(平9)1月13日生まれ。大阪府堺市出身。とんず・1998年(平10)11月27日生まれ。兵庫県神戸市出身。22年7月、NSC在学中に結成。卒業後のプロ1年目で「THE W」決勝進出し注目を集める。今年4月に大阪・よしもと漫才劇場で初の単独ライブが大成功。6月29日には東京・神保町での単独ライブも控える。ABCテレビ「newsおかえり」水曜日レギュラーなどメディア露出も急増中。

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