伊原六花 ドラマ「シコふんじゃった!」の美しい四股 「ダンス経験が生きた」

[ 2022年11月30日 07:37 ]

ドラマ「シコふんじゃった!」で、四股の稽古に励む穂香(伊原六花)(C)2022 Disney
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 【牧 元一の孤人焦点】ディズニープラスで配信中のドラマ「シコふんじゃった!」(周防正行総監督、全10話)に主演した俳優の伊原六花(23)がこの作品への思いを明かした。

 「初めて役に合わせて体作りをしました。説得力のある動きを追求し、撮影の時も『こんな動きはしないと思ったら止めてください』と言っていました。リアリティーを追求できたと思うので、それを少しでも格好いいと思ってもらえたらうれしいです」

 作品は1992年にヒットした映画「シコふんじゃった。」(本木雅弘主演)の続編。伊原は女性ながらたった1人で相撲部を支えてきた大学生・穂香を演じる。

 まず何より目を引くのが穂香の四股の美しさだ。

 「撮影前に監督さんから『四股はきれいに』と言われました。ネットで『美しい四股』を検索したら動画が出てきたので、それを参考にしつつ、この映画で相撲を指導してくださった先生に鏡の前でマンツーマンで教えてもらって、少しずつ形にしてゆきました」

 撮影を前に伊原ら出演者は約2カ月間、相撲の基礎の四股、すり足、股割り、鉄砲を練習。四股は練習で毎回、100回踏んでいたが、クランクイン後もスタッフ、出演者らで四股を踏んでから撮影を始めていたという。

 伊原はダンス経験者。大阪府立登美丘高校ダンス部の「バブリーダンス」で知られる。

 「ダンスをやっていたので足は上がりましたけど、四股とは動きが違います。四股は足をゆっくり上げてから最後に伸ばしきるまでのバランス感覚が必要で、最初にバランスを取ってから上げ始めるんですけど、少しでも邪念が入ると体勢が崩れてしまいます。でも、練習すればできるようになるということはダンスで経験していたし、体幹と柔軟性も生きたと思います」

 映像の中のまわし姿がりりしい。

 「最初はコルセットみたいな感じでした。女性と男性で長さや硬さが違うんですけど、最初は硬かったまわしが稽古を続けていくうちにどんどん柔らかくなりました。徐々に、つけるのもはずすのも短い時間でできるようになって、実になっている感じがして、うれしかったです。ずっとつけているときつい部分もあったけれど、締めると『よし、今から始まるぞ!』と気が引き締まりましたし、自分でも、意外に格好よく見えるんじゃないかなと思いました」

 作品は俳優・葉山奨之(26)とのダブル主演。大学の単位と引き換えに相撲を始める亮太(葉山)と相撲を取る場面がある。

 「葉山さんと『相撲を取るシーンはリアリティーがあるものにしたい』と話しました。第1話に穂香と亮太の10番勝負が出てくるんですけど、第1話が面白くないと続きを見てもらえないと思って、あの10番勝負は2人でめちゃくちゃ練習しました。スピード感を出したかったし、初心者の亮太に対して穂香が圧倒的に強く見えるようにしたかったので、私は本当に葉山さんに勝ちたいという思いで相撲を取りました」

 女子同士の取り組みのシーンはこのドラマの大きな見どころだ。

 「体力的に大変でした。立ち会いや技をかけるポイントは決まっていたんですけど、その間は自由に動けるので、相手役の人と本当に試合をするようにしました。実際に相撲を取るのは大変で、相手のまわしをつかんで動かそうとしても、1分くらいで握力がなくなる感じになってしまいます。何回もできないので、リハーサルで動きを確認した後に1、2回、最初から最後まで止めずに撮影しました」

 真剣勝負に近い緊迫した雰囲気が映像に表れている。

 「女子相撲は日本より海外の方が盛んだったりもします。相撲には、所作の美しさもあります。この作品で、興味を持ってくれる人が増えるとうれしいです」

 ブームの火つけ役になるか注目される。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2022年11月30日のニュース