里見女流5冠“プロ不合格” 女性初の棋士誕生は持ち越し、棋士編入試験第3局も敗退

[ 2022年10月13日 16:16 ]

棋士編入試験の第3局に臨む里見香奈女流5冠(日本将棋連盟提供)
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 里見香奈女流5冠(30)が13日、大阪・関西将棋会館で棋士編入試験5番勝負第3局に臨み、試験官の狩山幹生四段(20)に103手で敗れた。第1局から連敗で後がなかった里見はこれで3連敗となり、不合格が決まった。14年に今泉健司五段(49)、19年に折田翔吾五段(32)が突破した現行制度。3人目で初、女性としても初の挑戦は失敗に終わった。

 戦型は後手・里見の十八番ゴキゲン中飛車。ところが盤面中央に金銀を配した狩山の手厚い指し回しに4段目へ浮いた里見飛車は動きを封じられ、飛車銀交換を迫られる。代償に9筋の突破を図ったがかなわず、駒損を広げて投了した。

 3勝すれば棋士を指す四段を獲得できたが、棋士番号順に選出した新四段5人との5番勝負は、第1局の徳田拳士四段(24)、第2局の岡部怜央四段(23)に連敗し、後がなかった。狩山には昨年12月、竜王戦6組ランキング戦で敗退。狩山が岡山県倉敷市から大山康晴15世名人以来81年ぶりに棋士になって2カ月後で、193手の熱戦だった。

 女流史上最多、通算49期の経験値が試されたが、厳しい現実を知る結果になった。日本将棋連盟によれば再受験は可能で、今回の資格を取得した次の対局、つまり6月以降の成績が「公式戦で10勝以上かつ勝率6割5分以上」を満たせば再度、受験資格を満たす。

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2022年10月13日のニュース