全国行脚終えた今村翔吾氏 日本一周企画が炎上続きのゆたぼん父子に「もったいない」

[ 2022年9月30日 05:30 ]

24日に山形県新庄市で「まつり旅」を終えた今村翔吾氏
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 47都道府県の書店や学校などをワゴン車で回る「まつり旅」を24日に終えた直木賞作家・今村翔吾氏(38)がスポニチの取材に応じ、日本一周中の不登校ユーチューバー、ゆたぼん(13)とその父親について私見を述べた。

 ゆたぼんは6月30日に父で実業家の中村幸也氏(42)と乗用車で日本一周企画をスタート。その1カ月前に「まつり旅」を始めていた今村さんは「彼も日本一周していることは知っていた」と話した上で「彼が全国の不登校児やその親に会って、勇気と元気を与えたいという気持ちは全然いいと思うんです」と理解を示した。

 一方、クラウドファンディング(CF)で調達した487万円を旅の資金にしていることに関して「人からお金を頂いてやるからには責任を伴う」と強調。YouTubeに投稿される動画には不登校児らとの交流場面が少なく、観光地巡りやグルメを満喫する様子が目立つため「趣旨と外れている」といった批判もある。この点について今村氏は「支援活動の足跡をしっかり残していくことは趣旨に賛同してお金を出してくれた人に対する義務です。それを教えてあげるのは一緒にいるお父さんだったり、周りの大人だと思うんです」と指摘した。

 ネット上の批判に対してゆたぼんは、各地で不登校児と会っているがプライバシー保護の観点から動画を配信していないだけだと主張。父の中村氏は28日に自身のツイッターで、不登校児に勇気を与える息子を称賛し「ゴチャゴチャ言っているだけのアンチには同じ事はできない」と書き込んだ。

 これが火に油を注ぐ格好となり、またしても炎上。今村氏は「もったいない。僕らの旅が万全だったかどうかは分からないけど、いいことをしてると思うんだったら反論してる場合じゃない」と苦言を呈した。

 自身は自腹で約1000万円を投じて「まつり旅」をやり切った。その責任として特にスケジュール管理を徹底し「20代のスタッフが寝る間を惜しんで頑張ってくれて、最低でも2週間前には日程を出すようにした」と説明。さらに訪問日から1週間後にその様子を動画部隊が編集してYouTubeで公開したり、著書にサインした数や出会った人数など細かいデータも1件1件記録し最後にまとめて報告した。「こういう積み重ねが『責任』につながっていくと僕は思う。そこまでしてるなら、我が道を進んだらいいんじゃないですかね」と述べた。

 ゆたぼんについては「これだけ悪意にさらされたら、強がるのも分かるし、身構えてしまうのも分かる。だけどね、これは大人の責任だよ」と今村氏。「ゆたぼん君の思い自体は信じたい。大人が本気で助けてあげてほしい」と思いやった。

 挑戦してやり切った者にしか見えない景色があることは身をもって知っている。だからこそ今村氏は「自分が思ってる以上に待ってる人は待ってくれている。誠実に向き合っていくことが大切だと思う。まだ旅の途中なんだから今からでも修正できる。ちゃんと頑張ってやり遂げてほしい」とエールを送った。

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