成田悠輔氏 テレビ大胆改革案「ほとんど再放送にしたらいいんじゃないか」5%注力するものは…

[ 2022年9月9日 10:07 ]

東京・六本木のテレビ朝日社屋
Photo By スポニチ

 経済学者で米エール大助教授の成田悠輔氏が、8日深夜放送のテレビ朝日「ぺこぱポジティブNEWS」(木曜深夜1・56)に出演。テレビが持つ可能性と、ネットなどに比べての優位性について語った。

 トークテーマの「テレビとネットが共存していくには?」について、同氏は端的に「ネットと競争しない」と挙げた。ネットの世界は競争相手が無限にいるとしたうえで「テレビってそもそも競争相手がいなくて電波とかを独占している、既得権益を持っているっていうのが特長じゃないですか。だから競争相手がいるところに入っていっちゃうのは損」と持論を展開。「だから、例えばテレビがYouTubeチャンネルとか持って頑張ろうとしたりすることがあるじゃないですか。凄く間違った戦略なんじゃないかな」と明確に考えを口にした。

 MCの「ぺこぱ」松陰寺太勇はテレビ局のYouTubeについて、テレビを見ない世代に向けた“入口”的な意義があるのでは、としたが、成田氏は「テレビ局のYouTubeって回ってないですよね。回らない理由があると思うんですよ。それはチャンネルが多すぎるからだと思うんですよ」と言う。ネットの世界は「超レッドオーシャンだし、ほとんど誰も得していない仕組みだと思う。ユーチューバーって、物凄い割の悪い成果報酬型の仕事だと思うんですよ」とし「しかもテレビみたいなレベルのビジネスとか、会社の事業みたいに言えるレベルのお金を作り出している人なんて、ほぼ存在しない。だから会社から見たビジネスにはなりえない」と分析した。

 テレビの持つ優位性は無数にある。それを生かしきることが「共存」に、さらに発展につながると主張する。「逆にテレビはテレビの殻の中にこもることで、テレビが持っているブランド力とか権威っていうのを保つっていう方向で行った方がいいんじゃないか」と提案。「テレビはある種、貴族みたいなもので、特権持っていて、お高くとまっているみたいな存在だと思うんですよ。ネットは武士たちが戦をやっているみたいなものだと思うんですよ。貴族が武士たちの戦いに乗り込んでいくっていうのは一番やっちゃいけないことだと思うんですよ」と例を挙げて説明した。

 テレビがさらに支持を得るための大胆な改革案も挙げた。「テレビはどっちかと言うと、いかにテレビという権威を維持し続けるか。そのためのコストをどう小さくするかということを考えた方が建設的」を前提に「全部再放送にしちゃったりしたらいいんじゃないか。ほとんど再放送にして5パーセントくらいだけ新しい番組にして。その5パーセントの番組にとてつもない予算とか投下して、YouTubeでは絶対にできないようなレベルのコンテンツを作っちゃうとかをやれば、ランニングコストは小さくなって“テレビはテレビにしか、やれないことあるよね”って形でずっと維持できるんじゃないか」と話した。

続きを表示

2022年9月9日のニュース