北村義浩氏 「単にご高齢の方に外出しないでね、だけでは絶対にだめ」大阪府の高齢者外出自粛呼びかけ

[ 2022年7月28日 16:42 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 感染者学の専門家で日本医科大学特任教授の北村義浩氏が28日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。大阪府が27日、新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、感染状況を示す独自基準「大阪モデル」に基づく警戒レベルを約3カ月ぶりに最高の「非常事態(赤信号)」に引き上げたことに言及した。

 大阪府は、28日から8月27日まで、重症化リスクの高い高齢者に不要不急の外出自粛を求め、同居家族にも感染リスクの高い行動を控えるよう呼びかける。外出自粛を求める対象は65歳以上の高齢者を想定しているが、専門家からは「高齢者に限定した行動制限に意義はあるのか疑問」との指摘が出た。吉村洋文知事は会議後の記者会見で「感染の全体を抑える措置ではないが、リスクの高い人は身を守る行動を取ってほしい」と説明。現役世代に向けては「感染対策が不要ということではない」と強調し、ワクチンの3回目接種などを呼びかけた。

 北村氏は「入院患者の7割近くがご高齢の方、60歳以上の方だというのが一つと、これはご高齢の方を守るということであって、要するに虫がいて、その虫がご高齢の方ばっかり狙っているんであれば、ご高齢の方に“ちょっと悪い虫が出ているみたいだから、少し家に引っ込んでてくれないか”という程度の守りましょうということではあるんですよね」とし、「だからといって、若い人が外でお祭り騒ぎをやっていいと言っているわけではない。それなりのしっかりした感染対策をするということが前提です」と指摘した。そのうえで「もっと大事なのは、“(高齢者の)同居家族がいるんだから、同居家族は外出てもいいのに、私は家の中にいなきゃいけないというのはおかしいんじゃないの”という意見があると思うんですが、おっしゃる通り。ですからご高齢の方と接触する機会のある同居家族、あるいは高齢者施設の介護に携わる人、医療関係者、こういう方々は、一つはワクチンを打つ。あるいは徹底的に頻繁に検査をして、陽性だったらすぐにご高齢の方から離れる」と言い、「こういう検査やワクチン、あるいは今まで以上のマスク、手洗い、距離を取る、換気だとかをやる。これをセットでやらないといけない。ただ単にご高齢の方に外出しないでね、だけでは絶対にだめ。これは役に立たない」と自身の考えを述べた。そして「検査が大事だと思うんですけど、そうすると、検査キットが足りないとか、そういう話になる」と話していた。

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2022年7月28日のニュース