北村義浩氏 神奈川県独自のコロナ「自主療養」制度、未承認キット使用可に「ばかげた政策」

[ 2022年7月28日 15:39 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 感染者学の専門家で日本医科大学特任教授の北村義浩氏が28日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川県の黒岩祐治知事が27日、医療機関を受診せずに療養する「自主療養」の活用をあらためて呼びかけたことに言及した。

 黒岩知事は、感染者の急増で発熱患者を診療する医療機関がひっ迫しているとし、重症化リスクが高い人以外は「自主療養を第一の選択としてほしい」と求めた。自主療養は検査キットや無料検査機関で陽性が判明し、2~64歳で重症化リスクが低いなどの条件を満たした人を対象とした神奈川県独自の制度。検査結果を県のシステムにオンラインで申請すれば、県から「自主療養届」が発行される。

 この自主療養制度で、神奈川県が「医療用抗原検査キットが入手困難な場合もあることから、7月28日より当面の間、薬機法に基づく承認がされていない検査キットによる届出も受け付ける」としていることに、北村氏は「申し訳ないけれど、診断として使えるのかどうか誰もチェックしてませんというキットと使っていいよというのは…。ここは、黒岩知事にもし私が言えるんであれば、これはばかげた政策だと思います」と批判。そして、「皆さん、陽性だったら家でじっとしている。陰性だったら外出しましょうという意味ですよね。でもこの研究用試薬(未承認キット)というのは、(陽性が)出ないというのは結構ある話で、いわゆる陰性になりがちな試薬が割と多いと聞いています。そうすると本当はウイルスが鼻とかにいるんだけど、陰性と出たから僕は会社に行っていいねとか、そんなことになりかねないということがありますね」と説明。さらに「あと今、手足口病などお子さんが熱を出しやすい病気がコロナ前と同じように流行してきて、RSウイルスという同じような咳とか喉が痛いというウイルスもまた流行してきて、そうすると、お子さんは小児科の医師に診ていただいて診断した方が、単にこの抗原キットだけよりはいいんじゃないかなと思う」と自身の考えを述べた。

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2022年7月28日のニュース