ロシア政治専門家 原発攻撃したプーチン政権の狙い 「ウクライナ政府や西側への大きな脅威」

[ 2022年3月7日 12:24 ]

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  ロシア政治を専門とする筑波大・中村逸郎教授が7日、日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜前8・00)に出演。ロシアのウクライナの原発への攻撃に対する見解を示した。

 ロシアは軍事侵攻を開始した直後の2月24日北部のチェルノブイリ原発を制圧。3月4日にはザポリージャ原発を攻撃、占拠した。IAEA(国際原子力機関)はザポリージャ原発について、ウクライナ当局から重要な設備には影響がなく、原発の放射線レベルに変化はないとの報告があったとしている。一方、ロシア・ネベンジャ国連大使は「ロシアが攻撃したというのは偽情報で事実無根だ」と反論している。さらに新たな動きも。ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、ロシア軍が南部にある国内第2の規模の南ウクライナ原発に向け進軍しているとの見方を明らかにした。

 ロシアがウクライナの原発を攻撃する狙いについて、軍事ジャーナリストで笹川平和財団の小原凡司氏は「理由は大きく2つある」と分析。「1つはハイブリッド戦の一環としてライフラインを破壊すること。住民に対して電気水道ガスの供給を止めることです。そうすると住民の中には不安が高まりますので、社会を不安に陥れる」。また「もう一つは原子力、核に関わる問題です」とし、「原子力発電所はチェルノブイリの事故でも分かったように、事故を起こせば大変な被害をもたらします。ロシアはこうした原子力発電所を掌握し、反対にウクライナ政府等に圧力をかけるためにも使えると思ったのではないかと思います」とした。さらに小原氏は3つ目の理由としてロシアが軍事侵攻正当化の口実にするという考えも明かした。プーチン大統領が主張する「ウクライナによる核兵器開発」の“口実作り”であるとの見方も示した。

 これについて中村教授は原発が狙われたことについて「本当にびっくりしたんですよ」と感想。「ロシア軍は原子炉を狙ったけれども外れてしまったのか、きちんと外してしまったのか。この実態についてはまだ真相は分からないわけですけれども、いずれにしても2番目ですね。ウクライナ政府や西側への非常に大きな脅威になるのは間違いないわけで。1番目、ライフラインの破壊となってますけれども、ライフラインを狙うんだったら、原発を狙わなくても例えば電力会社とか発電所を狙えばいいわけなので、実は私は2番目というのが非常に大きい、プーチン政権の狙いかなと思います」と語った。

 加藤浩次が3つ目の理由とするプーチン大統領が主張する「ウクライナによる核兵器開発」の“口実作り”について、「自分たちが原子力発電所を占拠したら、核開発をしてたんだよってウソをつくこともできる可能性もあるってことですか」と尋ねると、中村教授は「そう。後付けですよね。攻撃してから口実を見つけ出すって言うのは変な話ですよね」と同調した。

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2022年3月7日のニュース