おぼん・こぼん“仲直り特需”結成56年再ブレーク!浅草東洋館連日満員札止め「M―1出場あるかもね」

[ 2021年10月10日 05:30 ]

東京・浅草フランス座演芸場東洋館で漫才を行い、視線を合わせながら漫才をするおぼん(右)とこぼん
Photo By スポニチ

 “お笑い界一の不仲コンビ”として知られ、電撃和解したことで話題のベテラン漫才師「おぼん・こぼん」が9日、東京・浅草の東洋館で漫才を行った。連日満員札止めの大盛況に、おぼん(72)は「目を合わせて漫才できるのがうれしい。和解をきっかけに再結成ということで、M―1グランプリ出場とかあるかもね」と満面の笑みを浮かべた。

 これまでネタの打ち合わせもせず、バラバラの衣装で舞台に上がっていたほどの不仲ぶり。それがこの日は、そろいの赤いジャケットに黒のズボンと蝶ネクタイを締めて息の合ったネタを披露。おぼんがトロンボーン、こぼん(72)がサックスを吹き、ジャズをセッションするなど仲睦まじい様子を見せた。

 2人は10年ほど前から気持ちのすれ違いで不仲が加速。決定打となったのは2015年の漫才協会の理事選挙。それまで、投票でこぼんよりおぼんが上位だったが、その年は順位が逆転。おぼんは結果に納得がいかず、最終的に舞台上で取っ組み合いのケンカに発展。漫才中に目を合わせないほど仲の悪さがエスカレートしていた。

 その様子をTBS「水曜日のダウンタウン」が特集して話題に。サプライズの仲直り企画を実施し、6日の放送では、8月に行われたこぼんの次女・泉水いづみ(39)の結婚式に2人が出席。親族や後輩芸人のナイツらの熱い思いにもほだされ、和解した。

 東洋館にも2人を目当てに観客が殺到。40代の劇場担当者は「連日満員御礼。若い人も増え、こんな光景は見たことがない」とうれしい悲鳴を上げている。

 芸歴57年目での再ブレーク。正月特番の収録は11月ごろからスタートするが、放送作家は「仲直りした師匠らは縁起物みたいなもの。ネタ番組で声が掛かるのは間違いない」と太鼓判。おぼん・こぼん特需となりそうだ。

 おぼんは「これを機にドラマのオファーは来ないかな。悪い役をやりたい」とニヤリとしつつ、「解散コンサートと称して営業するのは向こう10年はできないね」とジョーク。こぼんは「いろいろな人から連絡があったが、一番大きな反響があったのは東洋館。とにかく人が増えたね」と笑顔。単独ライブの可能性についても「ゆくゆくはね…」とやる気を見せていた。(吉澤 塁)

 ◇おぼん・こぼん おぼん(本名井上博一=いのうえ・ひろかず)1949年(昭24)2月2日生まれ、大阪府出身の72歳。ボケ担当。こぼん(本名馬場添良一=ばばぞえ・りょういち)1948年(昭23)12月24日生まれ、大阪府出身の72歳。ツッコミ担当。高校の同級生で65年にコンビ結成。当時では珍しく師匠を持たず、東京を拠点に活躍。80年には日本テレビ「お笑いスター誕生!!」で10週連続で勝ち抜きグランプリを受賞。

 ▽東洋館 正式名称は「浅草フランス座演芸場東洋館」。東京都台東区浅草公園六区に所在する演芸場。建物を同じくする浅草演芸ホールとともに同地のお笑い文化を担っている。1951年にストリップ劇場「浅草フランス座」として誕生し、00年から現在の形になった。これまで渥美清さん、ビートたけし(74)らを輩出した。

続きを表示

この記事のフォト

2021年10月10日のニュース