松田丈志氏「日本スポーツ界が森さんに頼りすぎ」 森会長の女性蔑視発言で私見

[ 2021年2月10日 12:34 ]

松田丈志氏
Photo By スポニチ

 競泳・五輪メダリストの松田丈志氏(36)が10日、水曜コメンテーターを務める日本テレビ「スッキリ」(月~金曜前8・00)に出演。東京五輪組織委員会の森喜朗会長(83)の女性蔑視ととれる発言について言及した。

 森会長は3日に行われた日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で、JOCが女性理事を増やしていく方針を掲げていることに「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」などと発言。4日には会見で「五輪・パラリンピックの精神に反する不適切な表現だった」と謝罪し、発言を撤回するとしたが、テレビで生中継された会見での逆ギレぶりな態度で、火に油を注いだ形となっている。
 
 JOCの評議委員でもある松田氏は「会議にもオンラインで参加していたが、発言自体は不適切だったという風に思う。だがその後謝罪もして撤回もしているという中で、これ以上この発言に対して糾弾していくこと自体にはあまり意味がないのかなと思う」と発言。「森さん自身もスポーツ界に貢献されてきた方。僕自身も車いすや杖をついてでも視察に来られているのを見ているので、日本で五輪・パラリンピックを開催したいという気持ちは人一倍強いんだと思う」とする一方で、「だが自分自身の発言で逆風を吹かせてしまったというのが実際なので、その責任をご自身と組織委員会の理事会がどう考えるのかなと思う」とも話した。

 発言の場については「JOCの評議会なので、組織委員会の森さんが発言する必要はなかった。コロナ禍で五輪をやるという難しい課題に直面しているから、スポーツ界一致団結して頑張っていこうという意を示すうえで、あの場で森さんにマイクを振って一言お願いしますという流れだったと思う」と推察。「日本のスポーツ界が森さんに頼りすぎていた。スポーツ界の人間としてもっと自分たちが行動を起こして僕ら若い世代もスポーツ界を支えられる人材になっていかなきゃいけないなと思った」とも発言した。

 発言の際の評議員の反応を聞かれると「会議のアジェンダ自体は50分で終わった。そこから森さんが40分話された。音声も聞き取りづらい状況で、一言一句聞くという状況になかった」と説明したが、「映像はメディアにも公開されていた。その中でこういう言葉が出たという事はやはり不適切だったと思う」と繰り返した。

 また、この件に関してIOCは4日に森会長の謝罪会見を受け、「問題が終わったと考えている」としながらも、9日に改めて「森会長の最近の発言は完全に不適切でIOC公約とオリンピック・アジェンダ2020の改革に矛盾するものだ」との声明を発表。松田氏は「森さんに対する忖度(そんたく)があったのかなと。森さんがいないと何とかならないという空気感が問題」とも分析。「森さんがいないと五輪はできないのか?」との質問にも「できると思うし、できてほしい。本当に森さんがいないとできないんだったら、日本のスポーツ界は人材不足過ぎると思っていて、そこは自分自身の課題とも捉えている」と繰り返した。森会長の進退については「森さんと組織委員会の理事会が決めなければいけない」と語った。

続きを表示

2021年2月10日のニュース