BPO フジテレビの架空データが含まれた世論調査報道に「重大な放送倫理違反」

[ 2021年2月10日 14:01 ]

フジテレビ社屋
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 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は10日、架空データが含まれた一連の世論調査結果を放送したフジテレビのニュース報道について「重大な放送倫理違反があった」との見解を示した。

 フジテレビは昨年6月にFNN(フジニュースネットワーク)と産経新聞が合同で行う世論調査において、調査業務契約先による一部データの不正入力があったと発表。直ちに世論調査を中止し、不正が行われていた期間の放送と記事を取り消した。この問題を受け、BPOでは昨年8月に「データの一部が架空入力された世論調査結果を基にした放送が合計18回にわたり行われた」として審議入りを発表していた。

 フジテレビと産経新聞は今年1月15日、外部専門家を含めた調査チームによる調査の結果を発表。不正入力は19年5月から昨年5月まで14回すべてで行われ、合わせて1万4636サンプルのうち、12・9%にあたる1886件が不正データであることが確認された。複数の調査会社関係者や世論調査に詳しい専門家などへのヒアリングを重ねたうえで、不正防止策を策定し、世論調査を1月中に再開された。

 委員会は今回の件について「2020年8月の委員会において、誤った世論調査の結果が合計18回にわたり放送されたことや、調査を委託した会社が不正の行われた調査会社へ再委託した経緯自体をフジテレビが把握していなかったなどのチェック体制の不備を踏まえ、合計18回の放送について放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決め、議論を続けてきた」と経緯を説明。「本件放送は世論調査の業務を委託先の調査会社に任せたままにし、架空データが含まれた世論調査結果を1年余りにわたり報じたもので、市民の信頼を大きく裏切り、他の報道機関による世論調査の信頼性に影響を及ぼしたことも否めないとして、本件放送には重大な放送倫理違反があったと判断した」とコメントした。

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2021年2月10日のニュース