3勝目の阪神・村上が参考にする“あの左腕”の投球術 「でも、負けたくはない」裏にたぎらせる闘争心

[ 2023年5月17日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神9-4中日 ( 2023年5月16日    豊橋 )

勝ち星を挙げた村上(中)は投手陣にいじられる(撮影・椎名 航)
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 無双状態は小休止でも、阪神・村上が今季3勝目を手にした。先発5試合目でともに自己ワーストの5回4失点。打線の援護に救われる形でつかんだ白星に、反省が口を突いて出た。

 「それ(勝利投手)は良かったです。点を入れてもらっていい流れできていたんですけど、もっともっと長いイニングを投げないといけない試合だった」

 前回9日のヤクルト戦で7回にサンタナに被弾し、開幕からの連続無失点イニングはセ・リーグ記録に並ぶ31でストップ。それでもこの日もスローカーブを効果的に織り交ぜ、4月22日の一戦でプロ初勝利を完封で飾った中日相手にこの日も4回までスコアボードにゼロを刻み続けた。

 落とし穴は5点リードの5回。2死一、二塁から細川に左前適時打を許し、さらに2死二、三塁から石川昂に低めフォークを右中間スタンドに運ばれた。5回を投げ抜き、唇をかみしめた右腕。防御率は0・28から1・22にはね上がったが、それでも規定投球回に再到達して防御率リーグトップに浮上した。

 先発ローテの一員として日々を過ごす中、自主トレに同行した“師匠”青柳だけでなく、大竹の投球術から得た学びを生かしている。「左右逆ですけど、カウントの取り方、テンポとかは参考にして。どういうところでクイック使ったりしているか、そういうのは勉強になる」。昨季までウエスタン・リーグで幾度も投げ合ってきた左腕は5戦5勝を挙げ、自身は防御率トップと両者そろってここまでのチームをけん引。「でも、大竹さんにも負けたくはないので。そこは譲れないです」。あどけない表情の裏にたぎらせる闘争心が、村上を前へと進ませている。

 「しっかり反省して、また調整していきます」

 7回1失点も、今季初黒星を喫した9日ヤクルト戦とは対照的に白星を得た豊橋の夜。喜びに浸ることなく、視線は既に次戦を見据えていた。(阪井 日向)

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