ナ・リーグMVP本命ブレーブスのアクーニャが今季10号、シフト制限の恩恵で打率も・348に

[ 2023年5月17日 11:51 ]

ブレーブスのロナルド・アクーニャ(AP)
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 ブレーブスのロナルド・アクーニャ(25)がレンジャーズ戦に「1番・右翼」で先発出場。8回に中越えに今季10号となる本塁打を放つなど、4打数2安打の活躍で、打撃3部門の数字を打率・348、10本塁打、26打点とした。

 アクーニャはパワーとスピードを兼ね備え、デビューから最初の550試合で、120本塁打、120盗塁を達成したのはアクーニャだけ。既に3度オールスターに選ばれているが、今年はここまで全試合に出場し、安打数(57)、盗塁数(17)、得点数(38)でナ・リーグ1位。OPS(出塁率+長打率)1・042も1位だ。

 ナ・リーグのMVPレースのトップを走っている。スポーツイラストレイテッド誌のトム・ベデューチ記者が今季良くなった理由について、21年7月に前十字靭帯を痛めた右ひざが完全に癒えたからだと指摘している。

 22年は復帰して119試合にプレーしたが、ひざの状態は思わしくなく、打率は21年の痛める前の・283から・266に落ちた。しかし今年はスイングが右足の軸がしっかりしていて、ボールに向かって力強く踏み出すことができ、尻を素早く回転できる。

 ブライアン・スニッカ―監督は「20歳からメジャーでプレーし始めたけど、トータルに見て今がベスト。選手としても人間としても大きく成長した。21年ひざのケガで試合に出られなかった(82試合出場)ことで、よりゲームに真剣に向き合うようになったと思う」と話す。

 データで見ると、まずは速球系を良く打っている。昨季52%を速球で攻められ、打率・248、長打率・400だったが、今年は速球系は打率・426、長打率・765とめっぽう強い。ゆえに相手投手も速球系を減らし、47%しか投じてこなくなった。加えてシフト制限のおかげで安打も増加。元々ゴロの多いタイプでシフトを敷かれていたが、昨季はゴロ率47・7%でゴロの打率は・268だった。今年はゴロ率54・1%でも、打率が・333と野手の間を抜けて行く。

 本人も「新ルールの中で個人的には一番影響がある」と認めている。空振り率は23・6%から13・1%と著しく減少。2ストライクと追い込まれた状況でも打率・243。昨季までは・172だった。

 今後、数字が多少下降するかもしれないが、打率3割、25本塁打、60盗塁をクリアすれば、76年のレッズのジョー・モーガン、90年のアスレチックスのリッキー・ヘンダーソン以来の快挙。2人ともそのシーズンはMVPに選ばれている。19年はMVP投票で5位だった。41本塁打、37盗塁(盗塁王)だったが、188個も三振を喫した。今年はここまで三振数は27個で、シーズン百個を少し超えるペース。一番打者として、ナ・リーグ東地区首位のブレーブスをけん引している。

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