「豊橋×中日」大好物そろい阪神・大山が75年ぶり勝利呼んだ 夢広がる佐藤輝との同門打点王争い

[ 2023年5月17日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神9-4中日 ( 2023年5月16日    豊橋 )

勝利のハイタッチをかわす大山(左から2人目)ら阪神ナイン(撮影・大森 寛明)
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 阪神は16日、19年7月以来4年ぶりに豊橋で開催された中日戦に9―4で勝利し、今季最長の5連勝で貯金を最多8に増やして単独首位を守った。豊橋での勝利は48年以来75年ぶりで、立役者は大山悠輔内野手(28)。3打数2安打1打点と存在感を示し、4打数4安打2打点1本塁打だった前回の豊橋決戦から7打数6安打3打点と抜群の好相性をキープ。今季の中日戦に限ってもカード別最高の打率・462と絶好調。「豊橋×中日」の大好物がそろった夜に、4番がきっちり結果を出した。

 バットを振れば自然と打球がヒットゾーンへ飛んでいく。相手が際どく四隅を突いてくるボールも、きっちりと見極められる。豊橋にすむ野球の神様は、4年の歳月を経ても大山に味方してくれた。前回、豊橋で公式戦を行った19年7月17日は4打数4安打2打点で、場外本塁打も放った。この日、再び当地で相まみえた中日戦では3打数2安打1打点に2四球。8回の第5打席で見逃し三振を喫するまで、通算8打席連続出塁の大暴れだ。

 「いつも村上の投球に助けられているんで、きょうは何とか野手陣が助けることができてよかったです」

 試合前の時点で、対中日はカード別最高の打率・435を誇っていた。そして場所は大山のパワースポット「豊橋」。お得意さまの2つが掛け合わさり、そこへ、ここまでの先発4試合は援護が少ない中、防御率0・28と神がかった投球を続けた村上への恩返しの思いも乗った。だから、躍動の予兆は初回からあった。第1打席。今季2戦2敗の先発・福谷に対し、3球で追い込まれながらツーシーム、フォーク、スライダーの多彩な変化球に対応し、四球をもぎ取った。示した確かな選球眼。2打席目以降の快音は、容易に想像できた。

 3回1死の第2打席でも外角低めを変化球で丁寧に突く投球に屈することなく、6球目、高めに浮いたツーシームを砕いて左前へ。5回無死一、二塁では、再びツーシームを左前適時打に変えた。

 「当たりはそこまで良くなかったが、追加点を取ることができて良かったです」

 堂々と胸を張る大山は、これで3試合連続打点となった。リーグトップを誇る5番・佐藤輝の23打点に次ぐ22打点に積み上がった。4、5番がこれだけ打点を稼げれば虎の進撃は必然。広島に敗れた2位・DeNAとのゲーム差を2に広げた。それでも主砲に「慢心」の2文字はない。

 「また明日も試合があるので、しっかり反省して、次に臨む」
 ほこりをかぶった歴史を新たに掘り起こした夜でもあった。猛虎がこの豊橋の地で勝ちどきを上げるのは、48年以来、実に75年ぶり2勝目。新時代の猛虎をけん引する大山が、そのバットで、さらなる伝説を刻んでいく。 (八木 勇磨)

 ▽豊橋市民球場 愛知県豊橋市の岩田運動公園内にある野球場で、1980年(昭55)開場。2001年に照明設備などの大規模改修を行い、02年4月16日には豊橋市内では47年ぶりとなるプロ野球公式戦(中日―阪神)を開催。その後、04年からは年1試合の公式戦が組まれている。老朽化による雨漏りなどの影響で、14年には2度目の大規模改修を敢行。ロッカールームやトイレの増設の他、内野観客席の整備も行われ、収容人数が1万5895人となった。同時期に、ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」の撮影が行われたことでも有名。

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