巨人・秋広 伝説の地で初V撃&初3打点の大暴れ「歴史ある球場で結果を出せたのはうれしい」

[ 2023年5月17日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人9-8ヤクルト ( 2023年5月16日    静岡 )

<ヤ・巨>大活躍の秋広は兜姿でファンの喝采を浴びる (撮影・西川 祐介)
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 伝説の地でプロ初決勝打だ!巨人・秋広優人内野手(20)が16日、ヤクルト戦の5―5の7回無死二、三塁から勝ち越しの左中間2点二塁打。2本の適時打を含む3安打でプロ初の勝利打点を含むプロ最多3打点を挙げ、勝利に貢献した。得点圏打率は・667に浮上。沢村栄治とベーブ・ルースが対戦した伝説の地・草薙で、背番号55が躍動。チームも4位ヤクルトに0・5ゲーム差に迫った。

 兜(かぶと)をかぶり、草薙のファンの前で勝ち名乗りを上げた。試合前にチームに贈呈された、静岡ゆかりの徳川家康の兜。身長2メートルの秋広は誇らしげだった。決勝打を含むプロ最多の3打点。殊勲打は5―5の7回無死二、三塁だった。

 「目の前で先輩方がつないでいる姿を見ている。無駄にはできないと思った」

 石山の外角直球を逆らわずに左中間へ打ち返した。プロ初の決勝打となる2点二塁打。初回2死一、二塁では吉村から中前適時打し、3回1死二塁でも中前打を放った。13日広島戦の4安打に続き、プロ2度目の3安打猛打賞。今季最多17安打を放った打線の中で輝きを放った。得点圏打率・667は、10試合以上に出場した選手でチームトップだ。

 体の大きさから大砲への期待は高いが、この日も2安打目までは内角球を着実に中堅へ返した。「打席の中でフォームを気にすることなく、しっかりとピッチャーのボールに対している」。最高のポイントゲッターが役割を果たし、チームは草薙で4連勝。4位・ヤクルトに0・5ゲーム差と迫った。別当薫氏と並ぶ歴代9位の監督通算1237勝目となった原監督も「しぶとい、いいバッティングをしていますね。勝負強いですね」と称えた。

 数々の伝説が残る草薙球場。89年前の34年には日米野球で、伝説の大投手・沢村栄治とベーブ・ルースが真剣勝負を演じた。74年の日米親善野球では長嶋茂雄が現役最後のプレー。97年の阪神とのOB戦では、現役プロレスラーだったジャイアント馬場(本名・馬場正平)が初出場し、話題を集めた。殊勲打の秋広と同じ身長2メートルの先輩。公式戦ではないが、草薙で身長2メートルの日本人プロ野球選手がプレーしたのは馬場以来26年ぶりだった。

 数々の伝説が残る草薙での活躍に「歴史のある球場で結果を出せたのはうれしい」。20歳のホープが新たな伝説の始まりを予感させた。(花里 雄太)

 ≪得点圏打率.667≫秋広(巨)が初回の適時打に続き、7回には勝ち越しの2点二塁打を放ち初の勝利打点をマーク。適時打をゲーム2本が初なら、1打席で一挙2打点も初めてだ。また、この日の3安打は全て走者得点圏で打っており、得点圏打率は.667に上昇。今季、巨人の得点圏10打数以上の11人の中では最高と勝負強さが光っている。

 ▽草薙球場 静岡市駿河区にある野球場で、1930年(昭5)7月15日に静岡電気鉄道(現静岡鉄道)が開設。39年に県に寄付された。プロ野球誕生以前の34年11月20日に日米野球が開催され、京都商を中退したばかりの巨人・沢村栄治が8回を1失点完投。試合は敗れたが、ベーブ・ルースを含め9奪三振の快投を見せた。その健闘を称え、球場前には両選手の銅像が立ち「沢村―ベーブ・ルースメモリアルスタジアム」の愛称を持つ。両翼100メートル、中堅122メートル。収容人数は2万1656人。

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