粘った、ほえた！阪神・西純　G斬り今季初星　師匠・西勇からの助言で前回黒星から修正

セ・リーグ   阪神4－1巨人 （ 2023年4月13日    東京D ）

1回、中田翔を三振に取り、雄叫びをあげる西純（撮影・岸　良祐）
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　阪神・西純は苦しんだ末に今季初勝利をつかんだ。6回までに9安打を浴びるなど毎回走者を背負っても、最少1失点。抑えるたびに気迫を押し出した。

　「ピンチになっても、諦めずに攻めたピッチングができた。粘って最少失点で抑えたいなとずっと思っていた」

　勝負どころで失投しなかった。初回先頭からの連打で迎えた1死二、三塁。内野ゴロでも先制を許す局面で岡本和をカウント2―1からの内角直球で一邪飛に押し込み、続く中田翔はフォークで空振り三振に仕留めて切り抜けた。

　先制直後の2回は無死一、三塁から門脇にボール気味のフォークを右前適時打されて同点に追いつかれた一方、板山の好返球に救われて傷口を最小限で食い止めた。6回1死一、二塁でも大城卓の痛烈な三直を渡辺諒が好捕。「野手のみなさんに助けてもらった」と感謝した。

　巨人打線の積極的なスイングに対し、低めへの制球を意識し続けた。今季初登板だった前回6日の広島戦は5回3失点で黒星発進。序盤から球が低めに集まらず、悩んだ。きっかけは9日の甲子園室内練習場。西勇の調整を手伝うキャッチボール相手を務めたところ「左足を上げてから、着地するまでの“間”をもっとつくった方がいい」と助言された。オフの自主トレをともにする師匠の言葉で気づき、キャッチボールから見直し。「狙ったところに徐々に球がいく感覚になった」と修正につながった。

　1点優勢の5回無死一、二塁ではプロ初犠打を記録し、試合を決定づける2得点を呼び込んだ。「緊張した。しっかり練習の成果が出せた」。苦しみ抜いて手にした1勝。「素直にうれしい」。10勝以上を掲げる飛躍の4年目が開幕した。（石崎　祥平）

　【データ】西純（神）の被安打9は昨季6月26日の中日戦に並ぶ自己ワースト。前回は4回1/34失点でリードを許して降板し、打線が追いつき勝敗なしだった。阪神投手が被安打9以上で勝利は昨季6月25日の中日戦、伊藤将が8回を9安打無失点。10―0で大勝して以来。