勝利に飢える中日・ブライト健太の“声”が、もがき苦しむチームに必ず届く

[ 2023年4月14日 08:00 ]

雄叫びを上げながら、ベンチへ戻る中日のブライト健太
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 深刻な打撃不振にあえぐ中日のベンチで、必死に大声を張り上げる姿がある。2年目のブライト健太外野手(23)だ。

 「チームが苦しんでる中で暗くなってもあれなので。そこの雰囲気を、自分が声を出すことで少しでも、と思っています。とにかく、勝ちたいんです」

 春季キャンプは2軍スタートながら、2月23日の阪神との練習試合で青柳から先頭打者弾を放つなど実戦9試合で5本塁打と猛アピール。2年目で初の開幕1軍をつかみ、4月5日のヤクルト戦でプロ初出場。5回無死一塁で代打起用され、空振り三振だった。

 「1軍で活躍するためにやっていますし、だから、打席に立てたことはうれしかった気持ちはありました。あの1打席で感じたことはたくさんある。最初の打席が三振で、よかったって思っています」

 声出しの合間を縫って、ベンチ裏の通路でダッシュを繰り返すなど代打に備えて体を動かす。ブライトは表情を引き締めて言った。

 「自分の状態が、いいとか悪いとか言っていられない。今の立場的に、あっても1日1打席。その1打席に向かって模索しています。自分がレギュラーとして活躍して、チームが勝つことが目標。何ができるかを考えて。代打で結果を残していかないとスタメンもない。1打席で結果を残すコンタクト力が必要だと思っています」

 ガーナ人の父を持ち、50メートル走5秒8、遠投100メートルと抜群の身体能力を誇る伸びしろ十分の好素材。打撃だけではなく、守備に関しても、貪欲に吸収している。

 「相手チームの試合前の打撃練習から、めっちゃ見ています。裏から。試合中も常に、打者のスイングと投手を見て、どこに、どんな打球が飛ぶのか。ベンチで荒木さんや監督の前にいるので、2人の話だったり、荒木さんがポジショニングを変えている時に何を参考にしているのかとか、そういう部分は凄く勉強になっています」

 チームは不振解消へ期待が懸かる石川昂が合流したが、好投を続ける投手陣を援護する存在は何人いてもプラス。飛躍の足がかりをつかめるか。ブライトが勝負の2年目に挑む。
(記者コラム・湯澤 涼)

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2023年4月14日のニュース