WBC世界一激闘代償…日米で負傷侍続々 レッドソックス・吉田も欠場 最短16日復帰も

[ 2023年4月14日 02:30 ]

ア・リーグ   レッドソックス7-9レイズ ( 2023年4月12日    セントピーターズバーグ )

レッドソックス・吉田(AP)
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 レッドソックスの吉田正尚外野手(29)は12日(日本時間13日)、敵地でのレイズ戦を右太腿裏の張りで欠場。重症ではないため最短で15日(同16日)にも試合復帰する見通しだが、プレーする上で重要な箇所でもあり慎重にステップを踏む可能性もある。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では大会最多13打点で侍ジャパンを14年ぶりの世界一に導いたが、プロ野球界も含めて激闘の余波が出ている。

 メンバー表に吉田の名が記入されることはなかった。試合前はトレーナーとともにグラウンドで右脚の状態を確認するなど最後まで4番での出場を探ったがゴーサインは出ず。理由は右太腿裏の張りで「無理をするとさらにひどくなる。チームに迷惑をかけるような状態では(プレー)できない」と説明した。

 アクシデントが起きたのは前日の同戦の6回の第3打席。無死一、三塁で二ゴロ併殺打に倒れた際、右太腿裏に違和感があったという。「試合中はアドレナリンがあったけど、終わってから少し張りを感じ、今日の朝、同じような感じだった」と経緯を語った。

 レ軍と日本人野手では最高額となる5年総額9000万ドル(約119億7000万円)の契約を結んで迎えた1年目。大型契約の責任を果たすため、キャンプ中からケガをしないことを目標としていただけに悔しさは大きい。WBCでは大会最多となる13打点を記録して侍ジャパンの世界一に貢献したが、同じ侍戦士の西武・山川、ヤクルト・山田は故障で戦列を離れている。

 激闘の疲れもあるのか、吉田は3日にメジャー初本塁打も、それ以降は20打数3安打と低迷し、ここまで打率・216、1本塁打、6打点。19連戦中で疲労の蓄積を聞かれ「ゴロの打ち過ぎなのではないか」と自嘲気味に笑った。

 現時点で重症ではなく、アレックス・コーラ監督も「シーズン終盤だったら無理をするかもしれないし、吉田もそうするだろう」と軽症を強調し「14日(日本時間15日)までは出場しないだろう」と見通しを語る。17日(同18日)のエンゼルス戦の相手先発は大谷。回復を願うばかりだ。(杉浦 大介通信員)

 ▽吉田と第5回WBC 大会初出場で1次ラウンドは全て5番に座り、3月10日の韓国戦では3回に逆転打となる中前打など3安打5打点。イタリアとの準々決勝から不振の村上に代わって4番に座り、7回に初アーチ。メキシコとの準決勝では0―3の7回に2戦連発となる同点3ランを放って劣勢ムードを消し去り、その後のサヨナラ勝利につなげた。全7試合に先発出場し22打数9安打、打率・409で大会新記録の13打点。外野手のベストナインに選出された。

 《ヤクルト・山田 登録抹消》ヤクルト・山田が下半身のコンディション不良のため出場選手登録を抹消された。前日のDeNA戦の4回に三ゴロで一塁を駆け抜けた際に負傷し、5回の守備から交代。高津監督はきょう14日からの広島3連戦(マツダ)の出場について「何とも言えない」と説明していた。山田はここまで11試合全てに「3番・二塁」として先発出場。打率・220、2本塁打、6打点、4盗塁だった。

 《西武・山川&源田も》主砲の山川はふくらはぎの張りで出場選手登録を抹消されている。9日のソフトバンク戦で「4番・一塁」として先発も初回の守備から緊急交代。WBCから帰国後は開幕から8日までの7試合は全て4番で先発し、本塁打はなく、打率・269だった。現在はリハビリ組で調整中だが、長期離脱には及ばず、最短10日での1軍復帰を目指す構えだ。WBCで右手小指を骨折した源田は開幕1軍を見送り、治療に専念。ランニングや捕球練習などは行っており、最短で4月下旬の1軍復帰を目指している。

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