西武・今井 完封12球団一番乗り ノーヒッター逃したけど「逆に切り替えやすかった」わずか2安打2勝

[ 2023年4月14日 05:30 ]

パ・リーグ   西武2-0ロッテ ( 2023年4月13日    大宮公園 )

<西・ロ>7回、ポランコをファウルフライに打ち取りガッツポーズで吠える今井(撮影・篠原 岳夫)
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 あとアウト5つ。ノーヒットノーランの予感に、4年ぶりの開催だった大宮公園野球場のスタンドがざわつき始めた。8回1死。今井の98球目、151キロ直球は安田にはじき返され三遊間を抜けた。苦笑いを浮かべたが、わずか2安打で完封勝利を飾った。

 「直球をしっかり打たれたので、そこは逆に切り替えやすかった。(記録は)あまり意識せずに投げられた」

 9イニングの完封勝利は今季12球団一番乗りで、21年9月11日のオリックス戦以来自身3度目。「中8日での登板で明日、チームは移動ゲーム。そこも含めて最後まで投げたかった」。138球の熱投だった。

 昨年8月26日のオリックス戦以来の2桁11奪三振。7個の決め球がスライダーだった。同球種の使い手・西口2軍監督の「リリースの位置やスピードを変えることでスライダーだけで3球種になる」という助言を実践。横滑りと縦の2種類に、球速も強弱をつけた。スライダーの空振り率は昨年の12・7%から今季20・2%に上昇。この日はさらに屋外球場で風の影響も受け、変化が不規則な“魔球”となった。

 今季から背番号「48」。昨年までの11から、自主トレでともに汗を流し師匠と仰いだ武隈祥太バイオメカニクス兼副寮長が背負った番号に志願して変更した。昨年の引退セレモニーで花束を渡し号泣した今井にとって「ドラフトとかで新しい選手が48をつけるくらいだったら、自分がつけてプレーで恩返ししたい」と特別な思いが詰まった番号。同氏も12年7月12日のソフトバンク戦で同じ8回1死まで無安打投球した。「勝つと、毎回うれしそうな顔して話してくれる。一勝でも多く去年以上の成績が残したい」。恩返しは始まったばかりだ。

 作新学院(栃木)で16年夏に全国制覇した。前日12日、巨人戦で7回完全投球の阪神・村上は、16年選抜優勝投手。98年生まれの右腕による、連日の快投だった。(福井 亮太)

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2023年4月14日のニュース