ヤクルト・村上、2年連続セパ最速30号 コロナ禍のチームに勇気与えた先制弾

[ 2022年7月14日 05:11 ]

セ・リーグ   ヤクルト3-6中日 ( 2022年7月13日    バンテリンD )

<中・ヤ>初回、村上は先制の2ランホームランを放つ(撮影・椎名 航)
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 試合は負けた。それでもヤクルト・村上が放ったアーチは、ナインに、ファンに強烈なメッセージを発した。どんな状況となっても、前を見て戦う――。「しっかりと自分のスイングができた。いい角度で上がってくれて先制できてよかった」と言葉に力を込めた。

 チームはコロナ禍で9、10日の阪神戦が中止となり、前日の豊橋での中日戦は雨天中止。チーム5日ぶりの試合でいきなり初回に豪打を発揮する。2死一塁で小笠原の内角高め148キロ直球を中越えに運んだ。6月29日以来となる9試合ぶりのアーチは日本人の左打者では97、98年の巨人・松井秀喜以来となる2年連続での両リーグ最速30号。すっかりメンバーも変わった三塁ベンチに勇気を与えた。

 8日からの5日間で高津監督や山田、青木ら28人がコロナ感染で離脱する非常事態。前日には内川ら14人が特例2022の代替選手として1軍に昇格した。「こういう時だからこそ一致団結してやることで力は大きくなるし、強くなる。その中心に僕がいるのは自覚しています」。より責任感が増した22歳の若き4番は、この日も何度もマウンドに歩み寄って投手を鼓舞した。

 左キラーの田口も不在とあり、救援陣が粘れず今季初めて3点差を逆転されて負けたが、DeNAが敗れて優勝マジックは48に減った。初陣を白星で飾れなかった松元監督代行も、村上について「さすがのバッティング」と称えた。頼れる背番号55は健在。再びベストの布陣となるまで、独走態勢を守り抜く。(青森 正宣)

 ≪日本人左打者ゴジラ以来≫村上(ヤ)が昨年に続き両リーグ最速の30号。2年連続両リーグ30号一番乗りは18、19年山川(西)以来。チームでは12、13年バレンティンに次ぎ2人目になる。また、日本人の左打者の2年連続は97、98年松井秀喜(巨)以来24年ぶり。村上は現在22歳。22歳シーズンまでに2度以上の両リーグ30号一番乗りは53~55年中西太(西鉄=20~22歳)に次いで2人目だ。

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2022年7月14日のニュース