阪神 歴史的!伝統の一戦40年ぶりの完勝劇 切り込み隊長・中野、4安打で引っ張った

[ 2022年7月14日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神13―0巨人 ( 2022年7月13日    甲子園 )

<神・巨>6回1死、中野は右中間三塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 阪神が13日の巨人戦で、今季最多19安打13得点で大勝した。この日、「マイナビオールスターゲーム2022」の監督選抜で選出された中野拓夢内野手(26)が、本塁打が出ればサイクル安打となる6打数4安打1打点、3得点の大活躍。切り込み隊長に引っ張られたチームは、伝統の一戦で零封勝ちをした試合に限れば、同じく13―0だった1982年4月29日と並ぶ40年ぶりの最大得点差勝利を飾った。

 好打者タイプの中野が珍しく、豪快な空振りをした。8回2死一、二塁、今村の高めの直球を一発狙いのフルスイング。その前の7回の5打席目から、本塁打が出ればサイクル安打と知る3万9124人の観衆が、“狙って”とあおるような拍手を送っていた。13点優勢の状況に、柄にもない大振りで精いっぱいに応えた。

 「5打席目の球場の雰囲気で(本塁打を期待されていると感じた)。最後にもう一打席チャンスが回ってきて、ファンの皆さんが盛り上がってくれていた。結果にはつながらなかったので、そこは今後にとっておいたということで」

 最後の2打席はともに二ゴロでも、大活躍が色あせることはない。初回はメルセデスから左前へ運び、3点先制の口火を切った。2回は中越え二塁打で、3回は戸根から適時左前打。6回は高木から右中間突破の三塁打を放った。前夜12日の零封負けの嫌な流れをそのバットで変えた。

 5月14日のDeNA戦以来、今季2度目の4安打をマークした。3安打以上の猛打賞は、リーグトップの今季10度目。さらに、シーズン101安打に伸ばしたことで、球団では20年の近本以来7人目となる新人から2年連続100安打をクリアした。

 胸が躍る記録だけでなく、この日はうれしいニュースが届いた。球宴に監督選抜で選出され、ファン投票で選ばれた昨年に続く2年連続出場。新人から2年連続で内野部門での球宴出場は、球団では80~82年の岡田彰布以来の快挙だった。

 昨季の盗塁王で、今季もリーグ2位(16個)につける快足が狙うのは、1試合最多盗塁記録。97年第1戦で松井稼頭央(西武)がマークした「4」へ、「二盗、三盗、もしくはホームスチールを積極的にやりたい」と青写真を描いた。矢野監督も「(中野)拓夢みたいな選手が、子どもたちの夢や憧れになると思う」と大きな期待を込めた。

 リードオフマンに引っ張られ、チームは今季最多19安打13得点で、40年ぶりの大爆勝。伝統の一戦で零封勝利した試合に限れば、1982年4月29日と同じ13―0の最大得点差勝利を果たした。借金は再び5。前半戦のラストスパート。この勢いで完済へ一直線だ。(倉世古 洋平)

 ○…阪神は今季11度目の零封勝利。2桁得点では6月25日の中日戦10―0以来今季2度目。巨人戦では20年9月17日11―0以来2年ぶり9度目。このうち13―0は82年4月29日以来40年ぶり2度目となる伝統の一戦史上最大の完勝だ。また巨人に13点差以上で勝利は、07年8月8日の15―2以来15年ぶり6度目。最大差は05年9月13日の16―1の15点差。13点差は2位タイになる。

 ○…中野(神)の4安打は5月14日DeNA戦(横浜)以来2度目の自己最多。今季10度目の猛打賞(3安打以上)でリーグ単独トップに立った。新人の21年には猛打賞を12度マーク。セ・リーグで新人から2年連続2桁猛打賞は20年の近本(神=13、13)以来7人目。このうち阪神選手は前出2人のほかに99年坪井(11、17)が記録している。中野はこの4安打でシーズン101安打目とし、昨季の127安打に次ぐ大台到達。阪神の新人から2年連続100安打以上は20年の近本(159、139)以来7人目。

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2022年7月14日のニュース