花巻東・佐々木麟太郎、155・5メートル飛ばした 3の0もやっぱり怪物!超特大ファウル

[ 2022年7月14日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権岩手大会・2回戦   花巻東7-0花巻農 ( 2022年7月13日    岩手県営 )

<花巻農・花巻東>3回、右翼場外に特大のファウルを放つ佐々木(撮影・光山 貴大) 
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 第104回全国高校野球選手権(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は13日、各地で221試合が行われた。岩手大会では、初戦を迎えた花巻東が花巻農に7―0の7回コールドで快勝発進。注目のスラッガー・佐々木麟太郎内野手(2年)は3打数無安打、1四球に終わったものの、3回に右翼場外へ飛距離155・5メートルの超特大ファウルを放ち、怪物の片りんを見せた。

 ただのファウルでも怪物は一味違う。3―0で迎えた3回先頭。高校通算73本塁打を誇る佐々木が、ゴルフのドライバーショットのごとく、かっ飛ばした。うなりを上げた打球は右翼ポールの約7メートル右を通過して場外へ。敷地内に駐車していた花巻東のバスの横に着弾する「ニアピン」となった。交通整理に励んでいた高野連関係者はあわや直撃の打球に「危なかった…」と肝を冷やした。

 本紙の測定による飛距離は驚異の155・5メートルだ。同校OBのエンゼルス・大谷がメジャーの舞台で放った112本のアーチで最長飛距離は141メートル。金属バットで生まれたもので、レベルも異なり、何よりファウルではあるとはいえ、潜在能力の高さを見せた。「最後の夏だと思ってはい上がっていきたい」と臨む2度目の夏。大谷が花巻東時代につけたことのある背番号17を背負い、怪物たるゆえんを示した。

 着弾後も勢いを失わず転がり続けた白球。駐車場入り口にある茂みでようやく止まり、来場者の愛車を破壊する惨事も免れた。「ラン」も含めた距離は171メートル。規格外の打球に球場の観客も、バックネット裏で視察した9球団10人のスカウトもどよめいた。広島・近藤芳久スカウトは「パワーは高校生トップクラス」と称えた。

 驚がくの一撃の後は2球ボールが続いて四球。初回は二飛、5回は右飛、6回も右飛に終わったが、いずれも滞空時間の長い「紙一重」の打球だった。

 主砲が3打数無安打でも7―0の7回コールド勝ちで初戦を突破。初回に先制犠飛を放った、高校通算52本塁打でプロ注目捕手の4番・田代旭主将(3年)は「初戦で(佐々木は)緊張していた部分があったと思う。いずれ(調子は)上がってくると思う」と次戦の活躍に期待した。狙うは春夏連続の甲子園出場。外野芝生席の「グリーン」にナイスオンを連発させる。(柳内 遼平)

 《本紙記者&カメラマンが計測》佐々木の特大ファウルを本紙記者とカメラマンが計測した。試合終了後、岩手県営球場近くの100円ショップで40メートルのひもと5メートルまで計測できるメジャーを購入した。両翼91.5メートルの球場で、ファウル地域のフェンスを越えた地点を88メートルと推定。着弾点方向まで40メートルのひもを一直線に引っ張り、残りはメジャーで5メートルずつ測った。降雨の影響で紙製のひもが切れてしまうアクシデントに見舞われながら測り終え、「155.5メートル」「171メートル」を算出した。

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