阪神・佐藤輝　公式戦初対決の由伸撃ち適時三塁打「何が何でも食らいついてやろうという気持ち」

交流戦   阪神3－2オリックス （ 2022年6月11日    京セラD ）

＜オ・神＞8回、佐藤輝は適時三塁打を放つ（投手・山本）（撮影・椎名　航）
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　たまりきった鬱憤（うっぷん）を、阪神・佐藤輝は一振りで晴らした。2点劣勢の8回2死一塁、難攻不落の山本に対して沈黙を続けていたバットが土壇場で火を噴いた。

　「もうとにかく、何が何でも食らいついてやろうという気持ちでした」

　前の3打席同様に徹底して外角中心の攻めを続けられる中、カウント2―2からの6球目、スライダーがやや内寄りにきたのを見逃さなかった。右前への鋭いライナー性の打球を飛びついた佐野皓が後逸する間に、一塁走者・近本が一気に生還。自らも激走して三塁打とした。「何とか（ヒットを）出したいというのはあったので。落ちてくれてよかったです」。今季最長の4試合、19打席ぶりの安打で長かったトンネルを抜け出し、直後の大山の打席での捕逸で同点の生還を果たした。

　同学年の山本とは公式戦初対決だった。4回先頭ではカットボールにバットを根元から折られ、一塁側スタンドに豪快に飛び込む二ゴロなど3打席目まで凡退。「日本を代表する投手。もちろんやってみたい気持ちはある」と1年目から対戦を待ち望んでいた好敵手に4打席目でやり返した。

　試合前練習ではオフに弟子入りした糸井、オリックス・吉田正との“超人談議”が開かれた。「ここのところ打ててないので。アドバイスというか、そういうバッティングの話をしました。（内容は）秘密で」。グラウンド上での再会を力に変え、先輩超人の前で久々の快音を響かせた。

　延長11回先頭でもフルカウントから本田の155キロを三遊間にはじき返し、19試合ぶりの複数安打。自身への代走・熊谷の生還に、ベンチから、いの一番に飛び出して喜びを爆発させた。「（後を打つ大山が）調子がいいだけに、塁に出たいというのはあった。ここのところできていなかったので、これからは塁に出られるように」。チームとしても個人も底を脱し、さらなる浮上を見据えた。（阪井　日向）