ヤクルト・村上 4年ぶり交流戦V決めた逆転満塁弾!パ6球団完全制圧は史上初

[ 2022年6月12日 05:30 ]

交流戦   ヤクルト7―4ソフトバンク ( 2022年6月11日    ペイペイD )

<ソ・ヤ>6回、満塁本塁打を放った村上(中央)を出迎えるナイン(撮影・中村 達也)
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 4番が最高の仕事を果たした。ヤクルトは11日、ソフトバンク戦で村上宗隆内野手(22)が1点を追う6回、2打席連発となる逆転の19号満塁アーチ。これが決勝点となって4年ぶり2度目の優勝(最高勝率を含む)を決め、賞金3000万円を獲得した。パ全球団に勝ち越す「完全優勝」はセ・リーグ球団初。リーグ連覇に向けても2位・巨人を6ゲーム差に引き離し、独走態勢に入った。

 「一番」と示すかのように村上が右手人さし指を突き上げた。弾丸ライナーが右翼テラス席に飛び込む。高津監督もナインもベンチでガッツポーズ。「詰まっても外野の前に飛ばそうという意識でいました。無我夢中でした。感覚は良かったので、入ってくれて良かった」。チームを頂点へ導く逆転満塁弾だ。

 3―4の6回2死満塁、フルカウントからの7球目。嘉弥真のボール気味の内角低め130キロスライダーに体勢を崩されながら食らいついた。「左キラー」、そして満塁の被打率がこれまで・122(49打数6安打)だった左腕を仕留めた19号グランドスラム。シーズン3本目の満塁弾は球団新記録となった。

 1―4の5回には左翼席へ2戦連発となる18号2ラン。地元の熊本からほど近い福岡で「九州の空気はやっぱりおいしいです」と定番のフレーズで喜び、反撃ムードをつくっていた。そこから2打席連発。手荒い祝福で迎えられた主砲は「テツさーん!」と叫びながら山田と抱き合った。「ありがとう」と主将。交流戦は打率1割台と苦しみ、直前に空振り三振を喫していた悔しさを晴らしてくれた4番に感謝した。

 背番号1が心を軽くしてくれた。昨季、優勝争いを演じた阪神との10月10日の一戦。同点の4回1死満塁で三塁へのゴロを村上が後逸し2点を勝ち越された。落ち込む背番号55に山田が「お前一人の責任じゃない。一人で背負うことはないから。最後にチームが勝てばいいから」と声をかけてくれた。「凄く救われた。チームで戦っていると感じた」と感謝。チームは逆転勝ちし、20年ぶりの日本一まで駆け上がった。

 リーグ単独2冠の19本塁打、53打点とする自己最多1試合6打点。5月24日の日本ハム戦で自身のサヨナラ弾で開幕した交流戦は、ここまで打率・377、6本塁打、13打点と大暴れし、優勝決定試合も主役となってMVPの有力候補だ。カード勝ち越しも球団記録を9まで伸ばしたチームの強さには「カバーのし合い。全員が同じ気持ちでいるので勝つ試合が増えている」と胸を張る。そんなチーム一丸の戦いの中心に村上がいる。だから、今季もヤクルトは強い。(青森 正宣)

 《9カード連続勝ち越しは球団新》ヤクルトが18年(当時は最高勝率球団)以来2度目の交流戦優勝を決めた。優勝2度は、ソフトバンクの8度に次ぎ、ロッテ、巨人、オリックスに並ぶ回数。また、6カード全てに勝ち越した完全優勝は、09、11年のソフトバンクに次ぎ2チーム目、3度目となり、セの球団では初めてだ。なお、ヤクルトは交流戦前の5月14、15日の広島2連戦から9カード連続の勝ち越しともなり、92年7、8月の8カード連続勝ち越しを抜く球団新記録になった。

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