広島 拙攻で3季連続交流戦最下位 佐々岡監督「あと一本が出なかった」、今年こそ…も空転する苦境

[ 2022年6月12日 05:00 ]

交流戦   広島1-2西武 ( 2022年6月11日    ベルーナD )

<西・広>険しい表情の佐々岡監督(中央)(撮影・尾崎 有希) 
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 広島は11日の西武戦で1―2と惜敗し、1試合を残して3季連続(20年は未開催)の交流戦最下位が決まった。中盤に2度の1死満塁を築きながら拙攻であと一本が出ず、6回2失点と粘った森下暢仁投手(24)に4敗目が付いた。交流戦の3季連続最下位は08~10年の横浜(現DeNA)以来2球団目。1日で借金生活に戻った。

 打線のつながりは2日と続かなかった。前日の6点快勝が、一夜明けると1点止まりの惜敗。得点圏に走者を進められないのではなく、何度も好機を築いていただけにもどかしい。佐々岡監督は厳しい表情で振り返る。

 「チャンスはつくっていた中で、あと一本が出なかった。自分たちの野球をやってきた中であと一本。そこでしょう。今日は…ね」

 2回から5イニング連続で先頭打者が出塁。無死一塁で坂倉に回った2回以外は判で押したように送り、4度にわたって犠打を成功させた。2点を追う3回は、野間に代わって1番に入った宇草が適時打。同点から逆転への期待は大きく膨らんだ。

 その空気感は、しかし、中盤の拙攻で一気に変わる。単打3本を集めた4回1死満塁で小園が捕邪飛に倒れると、石原も二ゴロ。3四球で得た5回1死満塁では坂倉が3―2―3の併殺だ。一塁セーフの判定が西武側のリクエストで覆り、最悪の結果に終わった。

 「順位が確定?明日、頑張るだけです」

 過酷な現実が突き刺さる。日本ハムが勝ったため、1試合を残して3季連続最下位が決まった。さすがに歯切れが悪い指揮官。3季連続最下位は08~10年の横浜以来。2連勝すらなく終えるのも同様に3季連続の屈辱だ。

 3勝12敗3分けの昨季は、鈴木(現カブス)や九里ら主力が交流戦前に相次いで新型コロナウイルスに感染。影響は少なからずあった。だが、今季は交流戦前の時点で先発陣がリーグトップの防御率を誇り、つながる打線も12球団でトップの得点を挙げていた。

 交流戦開幕を控えた約3週間前。佐々岡監督は「苦手にする交流戦だけど、今年は違うんだ…と。変に意識せずリーグ戦と同じ気持ちで戦えば、選手全員が自信を持って戦えば必ず結果が出ると思う」とナインを鼓舞した。それが空転する苦境。12日の最終戦はせめて勝ちたい。(江尾 卓也)

 《通算6度目最下位は最多》広島の交流戦最下位が確定。12日の西武との最終戦に勝っても、6勝12敗の勝率・333で、同率10位対戦の日本ハム―中日の敗者の勝率・389(7勝11敗)を上回れない。19年から3季連続(20年は開催中止)の最下位は08~10年の横浜(現DeNA)に続く2チーム目。通算6度目はDeNAの5度を抜いて最多になった。この日の敗戦で交流戦期間の連勝なしも確定。こちらも19年から3季連続。過去には15年DeNAと19年ヤクルトが18試合制で連勝なし。複数度は広島だけ。

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