「キングジョーカー」 牧原大成は藤本ホークスに欠かせない仕事人

[ 2022年5月8日 07:40 ]

ソフトバンク・牧原大(撮影・中村 達也)
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 ヒゲの指揮官が超万能型野手に命名した新愛称が、グラウンド上で見事に浸透してきている。ソフトバンクの牧原大成内野手(29)のことだ。7日時点で今季29試合に出場。代打、中堅手、二、三塁手として打率・284、9打点。藤本ホークスに欠かせない仕事人と化している。

 「牧原はキングのジョーカーなんです。代打のいいところで使えるしスタメンもいける。牧原がスタメンなら代打が薄くなる。そういう意味で牧原は本当に貴重。本当にここ一番に置いておきたい」。

 藤本監督はトランプの中に含まれる特別なカード「ジョーカー」に最高位の称号「キング」を付けて、牧原大の重要性を表現する。

 トランプゲームで勝って上がりたいときの切り札がジョーカー。野球でも同じ。勝負どころで牧原大を送り込むと必ず結果を残す。

 今季はスタメン出場が18試合、代打や守備固めでの途中出場が11試合。4月19日のオリックス戦、相手先発山本のときに牧原大を2番起用し3安打猛打賞。5月3日の再戦でも2安打。6日のロッテ戦では先発佐々木朗で2番起用しスタメン唯一のマルチ安打。「エースキラー、だからジョーカーなんですよ」と指揮官は成功事例をうれしそうに笑う。

 実は牧原大自身も、新愛称を欲していた。昨年12月に福岡県内で行われたトークショーで、ぼやいていた。

 「千賀は“お化けフォーク”で甲斐は“甲斐キャノン”とかあるのに僕には何もない」。

 10年の育成4位入団が千賀で、同5位が牧原大、同6位が甲斐。その甲斐から、19年5月のゴールデンウィーク中のトークショーで名付けられたのが50メートル5秒8の快足もあって「鷹のぼーそーぞく」。ただ浸透は薄かった。

 あれから3年。「本当に(愛称は)何でもいいです。任せます」と開幕前に言っていたが“キングジョーカー”は、お気に入りだ。 藤本監督は牧原大のジョークを明かしつつ戦う姿勢を称える。「準備もしっかりできているし、自分の役目を分かっている。ニコニコして“今日はジョーカーですか?”とか“今日はジョーカーになりませんでした”などと言ってきて。色んな場面で出せるのはありがたい」。厚い信頼関係のもとでワイルドカードとして札を切る。

 非常に多様性があるゲームの中での最重要カード、ジョーカー。“鷹のキングジョーカー”こと牧原大が出場すれば、必ず何かコトが起こる。(記者コラム・井上満夫)

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2022年5月8日のニュース