駿河台大・風間球星が「王者」創価大相手に狙う勝ち点 逆境を乗り越えて「新天地」でレギュラー獲得

[ 2022年5月8日 16:15 ]

東京新大学春季リーグ戦   駿河台大 0―11 創価大 ( 2022年5月8日    岩槻川通 )

新たなポジションで躍動する風間(右)(撮影・柳内 遼平)
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 東京新大学リーグの駿河台大は創価大との2戦目に0―11で7回コールド負けし、対戦成績を1勝1敗とした。今春にレギュラーを獲得した風間球星外野手(4年=甲府工)は「6番・右翼」で出場し、3打数無安打。2打席目は右中間へ大飛球を放つも、中堅手の好守に阻まれた。

 今季初の勝ち点が懸かるあす9日の3戦目へ向けて風間は「厳しい戦いになると思う。1戦目のように粘って、最後に自分の一本で決めたいと思います」と力を込めた。

 前日の1戦目は、リーグ最多47度の優勝を誇る「絶対王者」創価大に1―0で競り勝った。優勝経験のない駿河台大にとって快挙だ。リーグ戦全試合スタメン出場を続ける風間も1安打を放って貢献し「ピンチは何度かあったけど、投手を中心に踏ん張って辛抱して勝ちきることができた」と振り返った。

 苦しみを力に変えて手にしたレギュラーの座。小学生の時からポジションは捕手一本だったが、昨春、思い通りに体を動かすことができなくなる「イップス」を発症。捕手から約18メートル先の投手への返球もままならない状態になり、外野手へのコンバートを決意した。グラウンドを見る景色を変えたことで「不安がなくなった。ノビノビとプレーすることができています」と体は再び思うように動いた。

 右翼手のポジションは風間をより輝かせることになった。遠投100メートルの強肩から鋭い送球を繰り出し、50メートル走6秒0の快足で広大な守備範囲を誇る。初のレギュラーに抜てきされた今リーグ戦では、対応力の高い打撃で広角に安打を放ち「外野手だと捕手より負担が少ないので打撃に集中できています」と笑顔を輝かせる。

 大学卒業後は社会人野球でプレーすることも視野に入れ「自分のできるところまでは挑戦したい」とし、「まずはチームとして勝ち点を取ること。何も残していないので思い切ってプレーするだけ。チームの力になれるように精一杯頑張りたいと思います」と続けた。

 「新天地」で輝きを取り戻した男が2度目のジャイアントキリングを狙う。(柳内 遼平)

 ◇風間 球星(かざま・きゅうせい)2000年9月30日生まれ、山梨県甲州市出身の21歳。奥野田小3年時に奥野田スポーツ少年団で野球を始める。塩山中では軟式野球部に所属。甲府工(山梨)では甲子園出場なし。駿河台大では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒0。遠投100メートル。1メートル80、80キロ。右投げ右打ち。

 ☆風間4兄弟全員に球の字 野球一家の風間4兄弟は全員が名前に「球」の字が入る。長男・球道さんは山梨学院で内野手としてプレー。三男・球打はノースアジア大明桜(秋田)で投手としてプレーし、昨年のドラフト1位でソフトバンク入り。末っ子の中学生・球志良さんも野球をしている。

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