DeNA・牧、右足首ねん座、体力不足からたどり着いた新人初の大記録 

[ 2021年8月26日 05:30 ]

<神・D>9回無死、牧は右翼線に三塁打を放ちサイクル安打を達成し小池コーチとハイタッチ (撮影・後藤 大輝)
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 プロ球界初となる新人でのサイクル安打を達成したDeNA・牧秀悟内野手(23)は、中学時代「若穂リトルシニア」での練習を「自分の野球の礎」と振り返る。昨秋そのチームで自主トレ中に起きた「ちょっとした事件」が、プロで戦うための自覚を生み出していた。

 
 ドラフト会議(10月26日)前。コロナ下で中大の練習が活動休止となり、故郷に戻り「若穂」で自主トレを続けた牧。滝沢栄監督(66)やコーチと話し「プロではいろいろなポジションができた方がいい」と、本職の内野だけではなく外野守備練習にも取り組んだ。

 だがその練習中に右足首をねん座。滝沢監督は「牧が故障することは珍しい」と不安を覚えた。自主トレでは持久力も落ちていた。「ちょっと頼りなさを感じ、プロで大丈夫かなと思った」と指揮官は続けた。そのことは牧とも話し合った。そして、それが牧に緊張感と自覚を与えた。

 2月の宜野湾キャンプから順調に過ごしたが、6月中旬に腰の張りが生じた。一時期出場機会が減ったが、若穂リトルシニアの関係者に驚きはなかったという。

 だが完治後は目を見張る活躍を続けている。不屈の精神でバットを振り続け、恩師たちの不安も払しょく。新人初の快挙にたどり着いた。歴史に名を刻んだ今、もはや右足首ねん座や体力不足は過去の笑い話となった。(DeNA担当・大木 穂高)

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2021年8月26日のニュース