明徳義塾・代木 32年ぶりの快挙!!V弾&完封 エースのプライドで同校甲子園100試合目飾った

[ 2021年8月26日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権 3回戦   明徳義塾2-0松商学園 ( 2021年8月25日    甲子園 )

<松商学園・明徳義塾> 完封勝利で8強を決め、雄たけびをあげる明徳義塾・代木(撮影・大森 寛明)
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 プライドが凝縮された102球だった。明徳義塾の左腕エース代木大和が散発3安打で完封。最大のピンチだった7回2死一、三塁も内角の真っすぐで金井創を遊ゴロに仕留め、チームの甲子園100試合目を最高の勝利で飾った。

 「ここで自分が投げきらないと、3年間やってきた意味がない。気持ちでは相手に負けないと思って投げた。(7回は)気迫がボールに伝わったと思う」

 1、2回戦は先発し途中降板。2回戦のノースアジア大明桜戦は5回を投げきることもできず、馬淵史郎監督から「エースの意地を見せろ」と最後通告されていた。24日の練習で指揮官から投げ急いで上体が突っ込んでいることを指摘された。右足を上げて一呼吸、間を置くイメージで投球フォームを修正。「しっかり軸足に体重が乗って力をためられるようになった」。馬淵監督も「真っすぐが低く球速も出ていた。連打は食らわないなと思って見ていた」といい「よく練習するし素直。だから野球の神様が味方してくれるんじゃないですか」とうなずいた。

 2回には右翼席へ決勝アーチも放った。「V弾&完封」は89年佐野日大の麦倉洋一が近大福山戦で記録して以来32年ぶりだった。甲子園出場を決めた高知大会決勝後に「こんな山奥(の学校)まで来て、負けるわけにはいかなかった」といった。愛媛県四国中央市出身で隣県に高知・森木大智がいることを知った上での進学だった。

 準々決勝の相手は智弁学園。「守備からリズムをつくって、いい流れを持ってこられるように」。連投も問題ない。目覚めたエースが02年以来の頂点を視界にとらえた。(北野 将市)

 ◇代木 大和(しろき・やまと)2003年(平15)9月8日生まれ、愛媛県四国中央市出身の17歳。小1から野球を始める。中学時代は「川之江ボーイズ」でプレー。明徳義塾では1年春の四国大会からベンチ入り。同年夏の甲子園はメンバー漏れし2年夏の交流試合で聖地デビュー。1メートル85、81キロ。左投げ左打ち。

 ○…明徳義塾が松商学園戦で通算12校目となる春夏通算甲子園100試合目を記録。通算勝利は62勝となり並んでいた高知商を抜き高知県勢単独最多となった。

 《加藤も続いたバッテリー弾》女房役の加藤愛己が貴重な援護弾を放った。6回2死で内角直球をすくい上げると打球は強い浜風にも乗り左翼ポール際に飛び込んだ。「インコース攻めが多かった。たまたま甘い球が来て、振り切ったら入った」。攻守で相棒の完封をアシストし、満面の笑みを浮かべた。

 ○…明徳義塾の代木と加藤がともに本塁打を記録。先発の投手&捕手によるバッテリー弾は今大会に京都国際の森下瑠大―中川勇斗が二松学舎大付戦で記録したのに続き8度目。バッテリー弾での完封勝利は83年PL学園の桑田真澄―小島一晃が準決勝・池田戦(7―0)で、06年青森山田の野田雄大―大東憲司が2回戦・延岡学園戦(7―0)で記録して以来、3度目。

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