伊藤将が大誤算KO すべて2死から5失点 阪神13度目の首位陥落ピンチも…また切り抜ける?

[ 2021年8月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-10DeNA ( 2021年8月25日    京セラD )

<神・D(20)>3回5失点でKOとなった伊藤将(撮影・北條 貴史)
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 ああ、大誤算…。阪神は25日のDeNA戦に2―10で大敗を喫した。先発した伊藤将司投手(25)はプロ入り最短となる3回5失点KO。過去4試合で3勝無敗だったお得意様相手に、手痛い一敗となった。2位・巨人が勝利したためゲーム差は1。26日に阪神が敗れ、巨人が勝つか引き分けると4月3日以来の2位転落となる。

 持ち味である粘り強さが、影を潜めた。伊藤将が自己最短となる3回5失点で降板。その5失点すべてが2死からだったという事実が、苦闘を何よりも象徴していた。

 「全体的にボールが高くなってしまいました。抑えなければいけないところを粘り切れず、早々にマウンドを降りてしまい、チームに申し訳ない」

 勝敗の分岐点は2回だった。2死二、三塁から、試合前まで得点圏打率・408だった大和を申告敬遠。満塁として、投手・大貫との勝負を選択した。3回が1番打者から始まるリスクと引き換えに、ベンチにとっての最善策。だが、0ボール2ストライクと追い込んでから、まさかの光景が待っていた。ファウル2球で粘られた6球目。外角低めへ投じたツーシームを右前へ運ばれた。先制の2点を献上。試合後、矢野監督の表情も曇った。

 「そら痛いわな。一番(アウトにできる)確率の高いところでね、打率・050っていうピッチャーでね。普通にやって打たれるわけないんだから。それも野球なんだけど…。あそこで踏ん張る、踏ん張らない、その次もそうだけど、前回はよく粘ったと思うんだけど、そういうところで粘れないっていうのがこういう試合になっちゃったよね」

 指揮官の言葉通り、負の連鎖は止まらなかった。3回は2死一塁から宮崎に中前打され一、三塁。続く牧には初球の外角球を、右中間席へと放り込まれた。序盤から負った5点のビハインド。直後の攻撃で代打・北條を送られた。

 是が非でも勝ちたい一戦だった。今季のDeNA戦は試合前まで4戦3勝無敗、防御率1・20。前回8月18日の対戦でも7回2失点で白星をつかんでいた。そんなお得意様相手に喫した、手痛い一敗。チームの連勝も2でストップした。

 三つ巴の様相を呈し始めた優勝争い。2位・巨人が1ゲーム差に迫ってきただけでなく、3位・ヤクルトにも2ゲーム差まで詰められた。きょう26日の一戦で阪神が敗れ、巨人が勝つか引き分けとなれば4月3日以来となる2位転落となる。過去12度の陥落危機は回避してきたが、果たして…。矢野阪神に、正念場が続く。(長谷川 凡記)

 ○…阪神打線の15三振は20年7月23日広島戦以来。DeNA戦の4安打以下は19年7月25日(4安打)以来。
 ○…首位阪神が2位巨人と1ゲーム差以内になるのは15日以来で、きょう阪神●なら巨人○か△、阪神△なら巨人○で阪神は2位転落となる。ただ、単独首位に返り咲いた4月4日以降、首位陥落の可能性があった12試合は9勝3敗で、阪神が敗れた時は2位巨人も黒星だった。

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