神戸国際大付、劇的！初の8強！　4番・西川が延長10回逆転サヨナラ打「思い切って振り抜いた」

第103回全国高校野球選手権　3回戦   神戸国際大付6ー5長崎商 （ 2021年8月25日    甲子園 ）

＜神戸国際大付・長崎商＞　延長10回、西川はサヨナラの逆転2点適時打を放つ（撮影・大森　寛明）
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　神戸国際大付は延長10回に西川侑志捕手（3年）が2点打を放って長崎商に逆転サヨナラ勝ちし初の準々決勝進出を果たした。

　両軍合わせて30人出場の総力戦。延長戦にもつれ込む激闘に決着をつけたのは、青木尚龍監督が「歴代トップクラスの主将」とたたえる神戸国際大付の4番・西川だった。

　前向きな姿勢が気まぐれな勝利の女神を振り向かせた。1点を追う延長10回2死二、三塁、初球の直球を積極的に捉えた西川の強いゴロは三塁の手前でバウンドが変わり左前へ。三塁走者に続き二塁走者も本塁へ滑り込みサヨナラの生還。殊勲打の背番号2は跳びあがって喜んだ。

　「1死一、二塁から阪上が追い込まれてから引っ張って二、三塁になった。ここで打てば逆転。思い切って振り抜いた」

　2回戦まで1安打の4番が4安打3打点と目覚めた。2点劣勢の2回に先頭で高めの変化球を振り抜き左翼席へ甲子園初長打となる通算25号本塁打。これで火が付くと4回には無死一塁から左前打、7回にも1死一塁から左越え二塁打を放ち、いずれも得点に絡んだ。同点の9回無死一塁では初球で送りバントも決めた。三塁打が出ればサイクル安打の大暴れ。前を打つ今秋ドラフト候補・阪上翔也も3安打とさらに調子を上げた。

　選抜2回戦で仙台育英に5―13と大敗。逆襲の夏へ向け、チームスローガンの「前向きに前向きに日本一」を念頭に鍛えてきた。練習前の円陣では毎日、部員全員で唱え士気を高めた。

　3試合すべて1点差。「夏は絶対勝つという気持ちが絶えることなくつながっている結果だと思う」。劣勢でも全員で前を向く。その先に深紅の大優勝旗があると信じている。（中澤　智晴）