盛岡大付敗れ…「西高東低」の夏 40年ぶり東日本勢が準々決勝前に姿消す

[ 2021年8月26日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権3回戦   盛岡大付4-7近江 ( 2021年8月25日    甲子園 )

<盛岡大付・近江>近江に敗れ肩を落とす盛岡大付ナイン(撮影・河野 光希)
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 3回戦4試合が行われ、第1試合で日本航空(山梨)が智弁学園(奈良)に1―7で敗戦。第4試合では盛岡大付が相手を上回る15安打を放ちながら4―7で近江に敗れた。東西東京を含む関東勢が8強進出できなかったのも、東日本勢が消準々決勝前に姿をすのも81年以来40年ぶり。一方で、近畿勢の5校8強入りは大会史上初めてと、西高東低の夏になった。

 一発が出れば同点だった。3点を追う9回2死一、二塁。新井流星(3年)のバットが空を切った。空振り三振でゲームセット。東日本勢最後の砦(とりで)、盛岡大付の敗戦が決まった。

 「練習では7回に5点を追う状況の練習をしてきた。最後は逆転できなかったが、それに近い形で頑張ってくれた。甲子園3試合で、チームカラーを十分に発揮してくれた」

 関口清治監督はナインをねぎらった。7回以降に8安打を放つなど、近江を上回る15安打も勝利には届かず。4年ぶりの8強を逃した。08年から続いていた東北勢の8強入りは12大会連続で途絶え、今大会の東日本勢も全滅となった。

 この試合を含めて、決勝までは5日間で4試合。頂点を目指し、2試合連続完封勝利を挙げていたエース・渡辺翔真(3年)は救援待機した。岩手大会でベンチ外の井口敦(3年)と、1試合のみの登板だった大平一真(3年)で5回までつなぐプラン。だが、初回に2点を奪われると、3回には2四死球と失策など無安打で0―3とされた。

 1死一、二塁のピンチで、想定より早くエース投入。1点差に追い上げ中盤は持ち直したが、渡辺も6回から3イニング連続失点。「失点してしまって、いい流れを持ってこられず悔しい」と結局、6回2/3を8安打4失点で涙をのんだ。

 自らを厳しく律する性格。寮では深夜にストレッチしながら勉強に励み、学業でも好成績を残してきた。試合後半の失点に「力を入れたせいで球速、質が落ちた。心があの場面に耐えられなかった自分の未熟さ」と分析。それでもコロナ禍を踏まえ「こういう世の中で3試合もさせていただいて、本当に楽しかった」と感謝の思いが口をついた。

 開催地・甲子園に近い近畿勢や、西日本勢が8強を占めた。北海道、東北、関東、東海、九州勢がそろって準々決勝に進めなかったのは大会史上初。雨天順延が続き、コロナ禍で出場辞退も出た大会は、戦績もこれまでにない状況になった。

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2021年8月26日のニュース