阪神・中野 球団新人5人目の20盗塁 “予測と準備”で失敗1つだけ 成功率は驚異の95.2%

[ 2021年8月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-10DeNA ( 2021年8月25日    京セラD )

<神・D(20)>1回1死一塁、サンズの時に中野は二塁盗塁を決める(野手・牧)(撮影・奥 調)
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 大敗の中、数少ない見せ場をつくった。阪神・中野が6月10日の日本ハム戦以来となる今季3度目の2盗塁。並んでいた近本、ヤクルト・塩見をかわし、今季20盗塁でリーグ単独トップに躍り出た。

 「盗塁をするにはまず塁に出ないといけないですし、後ろにつなぐことが自分の役割。次の塁を狙うことも役割なので、数字というよりは一日、一日、自分のやるべきことを積み重ねることができていることだと思う」

 快足でDeNAバッテリーを揺さぶった。初回1死一塁ではサンズへの5球目で二盗に成功。近本に19盗塁で並ばれた直後の3回無死一、三塁では、サンズの3球目に仕掛けた。悠々と二塁を陥れたどころか、捕手・伊藤光の二塁悪送球を誘い近本が生還。これが19年の近本以来、球団新人5人目の20盗塁到達となった。

 ここまでの盗塁成功率は95・2%(成功20、失敗1)と驚異の高確率を誇る。その背景にあるのは、日大山形時代から培ってきた予測と準備。恩師である荒木準也監督はかつて「いろんな状況の中で何が起こりえるかとか、予測ができるから良いスタートも切れるし、良い走塁ができる」と好走塁の秘けつを明かしていた。

 バットでも快音を響かせた。初回1死、右腕・大貫の132キロスライダーを捉えて中前打。3回は無死一、三塁から同じく大貫の147キロ直球を左翼線適時打とした。2試合連続マルチ安打に加え、20日の中日戦から5戦連続安打をマーク。ここ5試合で打率・444(18打数8安打)と、好調を維持している。

 その打力があるからこそ、次なる大台の「30盗塁」も視界に入ってくる。「目標に掲げていますが、まずはチームが勝つことが一番。チームの勝ちに貢献するために、30盗塁も狙っていけたらと思います」。反発力を欠きつつある猛虎打線。背番号51の「走・攻」を起爆剤としたい。(須田 麻祐子)

 ○…中野は6月12日楽天戦の5回に二盗を失敗しただけで、盗塁成功率は95・2%(成功20、失敗1)。過去の両リーグ盗塁王で、最高盗塁成功率と最少盗塁死はともに16年山田(ヤ)が保持(93・8%=成功30、失敗2)。中野が失敗なく盗塁数を積み重ねれば、両方を更新する可能性がある。

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