センバツ覇者・東海大相模の出場辞退 甲子園でも起こり得る事態

[ 2021年7月24日 13:12 ]

東海大相模の門馬監督
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 見えない敵に負けた。試合に負けるよりも悔しいだろう。東海大相模が24日、神奈川大会への出場を辞退。登録メンバー20人のうち17人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けて野球部が活動禁止になり、同日の準々決勝は不戦敗となった。

 神奈川は感染者が増え続けている。東海大相模の選手は寮生活を送っており、あらゆるコロナ対策を講じても集団感染が起きてしまう。それが現実だ。今春のセンバツ覇者は史上8校目の春夏甲子園連覇を目指していた。隔離された中で、悔し涙を流す選手の姿が目に浮かぶ。99年から指揮を執り、春夏合わせて4度の甲子園優勝に導いた門馬敬治監督は今夏限りでの退任を表明しており、思わぬ形で最後の夏を終えた。

 新型コロナは人の人生を狂わせる。甲子園は昨年、春夏いずれも中止になった。今春は開催されたが、今夏は地方大会で辞退校が続出しており、星稜(石川)、中越(新潟)、福井商など強豪校も夢を閉ざされた。辞退後に主将のツイッターへの投稿をきっかけに世諭の後押しを受けて再出場した米子松蔭(鳥取)は学校関係者による感染だった。

 日本高野連は甲子園大会で原則、無観客での開催を発表。スタンドへの入場は、生徒や保護者ら学校関係者に限定し、日本高野連の八田英二会長は「春に比べて出場校が多く、大会期間も長くなる。感染力の強いウイルスの流行という要素も加わった。総合的な判断」と語っている。

 それでも、辞退校が出てくる事態は起こり得る。そうならないように試合中、ベンチにいる監督や選手はマスクの着用が求められ、代表校から感染者が出た場合は緊急対策本部で対応を協議する。集団感染でない場合は、大会への参加を差し止めないという。東海大相模のような集団感染が起きないことを祈るしかない。(記者コラム・飯塚 荒太)

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2021年7月24日のニュース