佐賀北 お家芸の“がばい逆転”蘇る 「春までは一度も逆転勝ちなし」ながら指揮官も伝統を実感

[ 2021年7月17日 05:30 ]

全国高校野球選手権佐賀大会2回戦   佐賀北7-2鳥栖商 ( 2021年7月16日    みどりの森県営 )

<佐賀北・鳥栖商>2点を追う佐賀北は5回1死二、三塁に笹山が適時打、三走・中村翔(左)、二走・中村一(右)が相次いで歓喜の生還、同点に追いつく
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 第103回全国高校野球選手権の佐賀大会は16日、2回戦4試合を行い、2007年夏の甲子園で優勝した佐賀北が7―2で鳥栖商を下し、初戦を突破した。先制されるも“がばい旋風”と称された伝統の粘り腰で逆転勝ちした。

 逆転勝ちは佐賀北伝統のお家芸だ。4回に2点を先制されたが直後の5回に流れが変わる。「先手を取られたばかりだったので強い当たりを打つことだけを心掛けた」。1死二、三塁の得点機。3番の笹山宗悟(3年)が高めに入った直球をフルスイング。中前にはじき返して走者2人を迎え入れ、あっさり追いついた。

 さらに6回、2死から四球と連打で勝ち越すと、8回にはまたも笹山が適時三塁打を決めてダメ押し。甲子園で“がばい旋風”を巻き起こした07年夏に広陵との決勝で0―4の8回に逆転し、日本一に輝いた粘りのDNAは健在。終わってみればシード校の貫禄を示す14安打7得点の圧勝だった。

 「春の県大会までは一度も逆転勝ちがなかった。でも夏に備えた練習試合でだんだん粘れるようになった。笹山もいいところで打ってくれた」。OBで12年夏に主将兼4番・中堅で甲子園出場し、昨春、母校に赴任した本村祥次監督(26)も佐賀北野球の伝統を改めて実感した。

 投げては昨夏から背番号1をつける左腕、荒谷紘匡(3年)が4回以外は無失点。「少し力んで失点した。ヒットは打たれたがチームが勝てばいいと思って投げた」。8安打を許したが、2併殺、9奪三振で流れを渡さなかった。19年夏の甲子園では控え投手でベンチ入りした。「登板機会はなかったが、いい経験ができた。今度は自分が下級生を連れて行きたい」。コロナ禍で開催が見送られた昨年を挟み2大会連続の甲子園出場へ。佐賀北が逆転で好発進した。

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