智弁学園・前川「前足を柔らかく使って」　打撃の後は脚力もアピールし、ロッテ・三家スカウトもチェック

全国高校野球選手権奈良大会2回戦   智弁学園11－1西和清陵 （ 2021年7月16日    佐藤薬品スタジアム ）

＜智弁学園・西和清陵＞1回、先制適時打の前川は、一塁ベースでベンチの指示を仰ぐ（撮影・井垣　忠夫）
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　プロ注目スラッガーが、最後の夏に向けて初戦の5回コールド勝利をけん引した。選抜8強の智弁学園・前川が3番で先発出場し、初回の右前先制打でチームを勢いづけた。

　「タイムリーは前足を柔らかく使って打つことができた」。まずはバットでヤクルト、ロッテなど4球団のスカウトに勝負強さを見せつけた。

　そして足も魅せた。初回は盗塁と捕逸の間に三進し、四球で出塁した4回には二盗と二塁から単打での生還と脚力もアピール。ロッテ・三家和真スカウトは「緩い球にも対応していたし、走る技術も確認した」と走塁シーンをビデオに収めた。

　選抜では3試合で10打数2安打。小坂将商監督も「相当落ち込んでいました」と証言する。優勝した春季県大会でも、天理との決勝では相手エース・達孝太に3打数無安打2三振。巨人の主砲・岡本和真も果たせなかった1年4番を任された前川は壁を感じていた。

　春の近畿大会後は右脇腹の張りのため、実戦も控えていた。その間に見ていたのが、阪神・佐藤輝の打撃だった。振るための体力、振る勇気を「すごいと感じた。その日できることを全力でやって、日本一になってプロに行きたい」と決意を新たにした。通算本塁打は現在35本。しっかりと増やして道を切り開く。　（鈴木　光）