創志学園 ヒヤヒヤながら“猛虎魂”で初戦突破 元阪神・坪井氏の長男・洸之介 決勝のホーム踏んで貢献

[ 2021年7月17日 05:30 ]

全国高校野球選手権岡山大会2回戦   創志学園4-3倉敷 ( 2021年7月16日    倉敷マスカットスタジアム )

創志学園・坪井洸之介選手

 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は16日、各地で行われた。岡山大会では創志学園が、OBの阪神・西純矢からのエールを追い風に、阪神などで活躍したDeNA・坪井智哉打撃コーチの長男・洸之介(3年)が先制のホームを踏み、辛勝発進した。

 野球の怖さを、知った。創志学園は4―0の9回にエース・川端師童が2安打と四球で無死満塁とされ降板。代わった河野優作が3点二塁打されて1点差に迫られ、なおも無死二塁。同点まで覚悟したが、相手の走塁ミスに救われた。

 長沢宏行監督は「9回に交代する、しないで川端の気持ちが切れてしまった。始めから代えないといけなかった」と後悔。当の川端も「9回は丁寧にいこうと力を抜きすぎてしまった」と反省した。これが夏の初戦の難しさ。昨秋も今春も制した県王者だからこその落とし穴とも言えた。

 前夜、2年前のエース、西純矢(阪神)から長沢監督に連絡があった。フレッシュオールスターで2回を完全に抑え優秀選手賞に選ばれた後という。「あす初戦ですね、頑張ってください」。「西も後半戦は、もっとがんばれよ」――。2人が約束した甲子園での再会に一つ近づいた。

 もう一人、虎のにおいを放つ選手がいる。「5番・二塁」で出場した坪井洸之介だ。元阪神で、現在はDeNAの坪井智哉打撃コーチの長男。2打数無安打だったが2四死球。7回先頭では四球で出塁して先制の生還を果たした。「振り子打法」ではないが、父に似た左の好打者だ。

 「父には“努力しなさい”とよく言われます」。坪井コーチも本紙の電話取材に「走塁ミスもしたみたいですが、しっかりしろと言いたい」と野球人としての厳しい顔を見せた半面、「でも私が(PL学園で)3年間一度も行けなかった甲子園へ行ってほしい」と応援する父の姿もあった。心強い西純と坪井氏のエールや激励。苦しい発進となったチームの進撃の支えとなる。

 ◇坪井 洸之介(つぼい・こうのすけ)2004年(平16)3月24日生まれ、兵庫県出身。井吹西小4年から高倉台少年野球団で野球を始め遊撃手兼投手。6年時にオリックスジュニアに選出。井吹台中では神戸中央シニアでプレーし3年春に全国選抜大会準優勝。創志学園では1年秋から背番号14でベンチ入りし、2年秋から背番号6。1メートル76、73キロ。右投げ左打ち。

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2021年7月17日のニュース